1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
梶谷 修一 茨城大学, 工学部, 教授 (90091438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 之立 茨城大学, 工学部, 助手 (90282277)
金野 満 茨城大学, 工学部, 講師 (90205576)
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Keywords | 燃料設計 / 自着火時期制御 / DME / 圧縮点火機関 / 無煙燃焼 / 活性化空気 |
Research Abstract |
超希薄予混合気自着火燃焼を実現させる新たな燃料として、ジメチル・エーテル(Dimethyl Ether,CH3OCH3以降DMEと略記す)に着目し、その基本的な(1)燃焼特性値の計測、(2)実際の圧縮点火機関を用いて希薄予混合自着火の限界の計測及び(3)CHEMIKINで計算する上で不可欠な燃焼機構の調査を行った。 (1)バ-ナ法で測定したDMEの燃焼速度はCH4とほぼ同等である。この際、超希薄予混合気燃焼を達成させるに活性化空気の利用を計画している。そこでDMEの予混合気にO3を約1万PPM添加して燃焼速度を計測したところ、約50%の増加が得られた。この値はCH4の予混合気に同濃度のO3を添加した時の値の5倍であり、DME+αなる燃料の自着火時期制御の可能性が見出された。 (2)DMEの特質を利用しDME+αで圧縮点火機関の運転し、機関性能、燃焼及び排出ガス特性を検討した。その結果DMEの割合(すなわちαの割合)で自着火時期の制御が可能な事、無煙燃焼である事、低THC排出である事、NOx濃度の低減は得られない事を明らかにした。これらは超希薄予混合自着火を実現させるため噴射開始時期の大幅進角及び活性化空気による自着火時期制御の見通しが得られた。 (3)DMEの自着火時期を制御するO3濃度及び自着火前の中間生成物CH3の変化を数値計算で予測するためDMEが関連する素反応について検討を加えた。現在、信頼すべき素反応をもとにCHEMIKINを用いて計算を行っている。
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[Publications] 陳 之立、金野満、梶谷修一: "ジメチルエーテル(DME)を燃料とした圧縮点火直接噴射機関の性能と排気特性-レトロフィト時の機関性能及び排気特性-" 第14回 内燃機関シンポジューム講演論文集. 235〜240 (1997)
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[Publications] 峰岸澄貴、陳之立、金野満、梶谷修一: "圧縮点火DME燃料機関に関する研究-諸機関性能及び排気特性について" 茨城講演会講演論文集. 161〜162 (1997)
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[Publications] 金野満、中村篤、陳 之立、梶谷修一: "含酸素物質を燃料とする内燃機関の排気分析法に関する研究" 茨城講演会講演論文集. 171〜172 (1997)
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[Publications] 本城文隆、後藤新一、金野満、梶谷修一: "リーンバーンガス機関に関する研究" 茨城講演会講演論文集. 173〜174 (1997)
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[Publications] 町田英之、陳 之立、金野満、梶谷修一: "圧縮点火DME燃料機関に関する研究-噴射弁リフトの諸特性に及ぼす影響" 茨城講演会講演論文集. 159〜160 (1997)
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[Publications] S.Kajitani, Z.L.Chen, M.Konno & K.T.Rhee: "Engine Performance and Exhaust Characteristics of Direct-Injection Diesel Engine Operated with DME" SAE Paper. 972973. 159〜160 (1997)
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[Publications] 陳 之立、梶谷修一: "DME/DMEブレンド燃料の噴霧特性の観察" 日本機器学会第75回通常総会講演論文集. (1998)
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[Publications] 金野 満、梶谷修一: "DMEを燃料とする直接噴射式ディーゼル機関のNO排出特性" 日本機械学会第75回通常総会講演論文集. (1998)