1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650223
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
稲田 茂昭 群馬大学, 工学部, 助教授 (00008517)
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Keywords | 液・液直接接触沸騰 / 界面張力差 / マランゴニ対流 / 受け止め液動粘性係数 |
Research Abstract |
本研究の独創的な点であり,かつ本研究の目的としている点は,プール沸騰系で現れる蒸気塊の微細化,衝突液滴沸騰系で現れる液滴の微細化及び高温溶融液の瞬時凝固過程での微細化の3者に共通する界面温度条件(しきい値)を液・液系に適応させ,蒸気発生機構を解明することにある. 平成9年度では,特に,スズ-水系の液・液直接接触沸騰状態を実現させ,その挙動をレーザホログラフィによる等温度干渉縞模様として高速度ビデオにて鮮明に写し出し,そこで認められる爆発的液・液接触時での蒸気生成機構を,特に接触界面で発生する微小蒸気泡の挙動をとらえて明らかにした. 本年度は,接触界面で発生する微小蒸気泡の発生をより活発にさせる方法として,液・液接触時(解け合わない液面への水滴衝突時)にその2液の界面張力差によって発生すると考えられるマランゴニ対流を積極的に起こさせる手法を講じ,非加熱実験ではあるが,その発生挙動をとらえ,以下に示すその発生条件をとらえた. 1. 受け止め液の動粘性係数が小さい程,マランゴニ対流は激しく生ずる. 2. 界面張力差が大きい程,マランゴニ対流は激しく生ずる. 3. 受け止め液の温度上昇につれ界面張力差は減少するが,動粘性係数が増すためマランゴニ対流は持続する. 以上の結果から,解け合わない液同士での接触時での蒸気発生はマランゴニ対流の発生によって,より活発化することが推測できた.
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Research Products
(1 results)