1997 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロカンティレバ-を用いた超高感度熱流束測定法の開発と薄膜蒸着過程への応用
Project/Area Number |
09650228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 剛良 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20193592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中別府 修 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50227873)
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Keywords | マイクロカンティレバ- / 温度センサー / 熱流束センサー / 蒸着 / 薄膜 / 測定法 |
Research Abstract |
近年の半導体産業における加工技術の目覚ましい進歩により、マイクロからナノスケールの加工が可能となり、これに伴って微小スケールにおける温度分布等の熱流体場の測定が重要となってきている。本研究では原子間力顕微鏡(AFM)に用いられる微小なマイクロカンティレバ-をセンサープローブとし、このカンティレバ-のたわみを光てこ法や抵抗変化を用いて検出することにより、高感度、高空間分解能で応答速度の速い温度・熱流束測定法を開発し、これを真空蒸着過程へ適用することにより金属分子線の熱流束や分子線強度の測定を行い、分子線強度が凝縮係数に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 本年度はAFMのマイクロカンティレバ-を利用したバイマテリアルマイクロカンティレバ-および圧電性結晶からなるピエゾレジスティブレバ-を用いて温度や熱流束の計測を行った。 1.等温度場における温度計測および既知の熱流束を与えた場合の熱流束計測実験を行い、これらのカンティレバ-を用いて微小領域の温度計測や熱流速計測が可能であることを示した。 2.バイマテリアルカンティレバ-を用いた計測システムの分解能は10^<-3>K、1μW、時定数は10msec程度であることを示した。 3.ピエゾレジスティブレバ-を用いることにより光てこ方式に較べて格段にシンプルな微小温度計測システムを構築することが可能であることを示した。この場合の計測システムの分解能もやはり10^<-3>K、1μW、時定数は10msec程度であることを示した。
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