1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650231
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
奥山 邦人 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (60204153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 嘉宏 横浜国立大学, 工学部, 教授 (90005299)
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Keywords | Fin / Catalyst / Endothemic Reaction / Fin Efficiency / Methanol decomposition / Washcoat / Analysis |
Research Abstract |
熱エネルギーを輸送、貯蔵等に適した化学物質に変換するための触媒反応器では、高伝熱性能を有する管壁型反応器の触媒装荷量改善のため表面を触媒化したフィンが使用される。本研究では、表面に触媒を担持したフィンの伝熱及び反応特性について、理論解析を行うとともに、メタノールの分解反応を伴う場合の実験を行い、その基本特性や最適化のための指針を得ることを目的とした研究を行った。結果は以下の通りである。 1. 表面の触媒により吸熱反応を生じるフィンのシミュレーション計算を行い、伝熱に関するビオー数、無次元バルク温度、触媒の無次元活性化エネルギー、物質移動に関するダムケラー数、そしてフィン内の熱伝導速度に対する反応吸熱速度の比を表すパラメータの5つの無次元パラメータが現象を支配することを示すとともに、これらパラメータの実用範囲の値に対して、フィン温度及び反応速度分布、伝熱のフィン効率、反応のフィン効率、反応への熱利用率などへのパラメータの影響を詳細に検討し、諸特性を明らかにした。特に反応速度分布への拡散の影響は触媒活性とフィンの温度分布により局所で大きく異なりうることを示した。 2. 触媒フィン上でメタノールの分解反応が生じる場合について、フィン温度分布及び反応速度の測定を行い、上述のシミュレーション結果との比較検討から、フィンに沿う温度降下により、局所の反応速度は著しく減少し、温度が一様な場合に比べフィンにおける分解ガスの発生速度は顕著に減少することを示した。 3. 一般に、反応速度が小さくフィンへの物質移動や反応による吸熱の効果が無視できる場合には、反応に関するフィン効率は、無次元パラメータの値の実用上想定される範囲の全域にわたり、上述の無次元数からなる一個の無次元量によって主に支配されていることを示すとともに、その一個の無次元量より表される近似式の予測誤差を詳細に明らかにした。
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