1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
池田 裕二 神戸大学, 機器分析センター, 助教授 (10212789)
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Keywords | 乱流予混合燃焼 / 局所自発光計測 / カセグレン光学系 / 高時間・空間分解能 / 火炎面構造 / 局所OH・CH・C_2ラジカル / しわ状層流火炎 / 反応帯厚さ |
Research Abstract |
本研究は、乱流予混合火炎における乱れと局所的な反応帯の微細構造の解明を目的として進められた。 平成9年度上期では、カセグレン光学系をポイント計測用に最適設計し、高空間分解能で多波長同時測定が可能な局所自発光計測プローブを開発した。また、集光した発光をOH,CH,C2ラジカル発光に分離する分光器を設計・製作した。分光には干渉フィルタを、光検出には光電子増倍を用いた。信号取り込みは250kHzの高速AD変換器で行い、反応を追跡できる高時間分解能を達成した。カセグレン光学系の測定体積は実験的に検証し、数値計算結果と比較した結果、火炎面を捉えるのに十分高い空間分解能(0.2mm×1.6mm)を有していることが示された。 平成9年度下期には、比較的乱れの弱い乱流予混合火炎(内径20mm円管ノズルバーナー、メタン燃料、当量比0.95、平均流速2.0m/s、乱れ強さ0.15m/s、Re数2400)において、局所的な自発光の時系列計測を行った。これにより、局所的な反応帯をC2・CH・OH自発光帯に分解して、各々の挙動と特性を計測・解析することが可能になった。以下に本研究により得られた主な知見を示す。 ・平均的な火炎面が存在する領域に置いて、OH自発光強度の確率密度関数は、しわ状層流火炎構造を表すといわれている双頭状分布を示した。 ・局所自発光強度の時系列信号では、OH・CH・C2自発光は同期して立ち上がっており、反応の領域が同期していることが示唆された。 ・二値化した時系列信号のヒストグラムより、OH・CH・C2反応帯の厚さを実計測する手法を提案した。 ・自発光強度信号の自己相関より、火炎面の変動スケールを求めることが可能になった。 ・局所自発光とLDVの同時計測から、局所ダムケラ-数を算出した。 ・OHとCH、CHとC2自発光信号の相互相関係数、比較的弱い乱れの乱流予混合火炎において、OH・CH・C2の生成に関する反応が薄い反応帯内部で進行・終了していることが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Ikeda, T.Nakajima, N.Kurihara: "Size-classified Droplet Dynamics and its Slip Velocity Variation of Air-assist Injector Spray" SAE Int.Cong.& Exposition,SAE Paper. No.970632. (1997)
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[Publications] Y.Ikeda, S.Hosokawa, S.Sckihara, T.Nakajima: "Cycle-resolved ODA Measurement of Size-classified Spray Structure of Air-assist Injector" SAE Int.Cong.& Exposition,SAE Paper. No.970631. (1997)
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[Publications] E.Fujita, Y.Ikeda, T.Nakajima: "Pulverized RDF Combustor for Small Scale Power Generation" The Ist Asia-Pacific Conference on Combustion (ASPACC97). 607-610 (1997)
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[Publications] Y.Ikeda, K.Kakemizu, T.Nakajima, H.Nakai: "Time-series Analysis of Velocity and Pressure in a Small Two-Stroke Engine" 30th Int.Symp.on Automotive Tech.and Automation,ISATA Paper. No.97EL079. (1997)
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[Publications] Y.Ikeda, S.Sekihara, T.Nakajima: "Fuel Droplet Dynamics and Dispersion of Practical Twin-Fluid Atomizer for Oil Furnace" The 7th Int.Conf.on Liquid Atomization and Spray Systems (ICLASS97),. 983-990 (1997)
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[Publications] 小嶋潤, 池田裕二, 中島健: "局所自発光計測による乱流予混合火炎解析" 第35回燃焼シンポジウム前刷集. 54-56 (1997)
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[Publications] 菱田公一, 池田裕二, 中島健: "流体実験ハンドブック" 朝倉出版, 13 (1997)
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[Publications] Y.Ikeda, T.Nakajima, E.Sher: "Handbook of Pollution From Intemal Combustion Engine : Pollutant Formation and Control,Chapter13." Academic Press, 36 (1998)