1997 Fiscal Year Annual Research Report
低〜中プラントル数流体における乱流熱伝達のDNSとモデリング
Project/Area Number |
09650256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河村 洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80204783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 信一 工学院大学, 工学部, 講師 (90286667)
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Keywords | 乱流 / 熱伝達 / プラントル数 / 乱流モデル / 直接シミュレーション |
Research Abstract |
乱流の直接数値シミュレーション(DNS)は,基礎式をできる限り忠実に数知的に解くもので,実験に比して,より詳細な情報が得られる.しかし当然,DNSにも適用限界があり,その一つは良く知られたように流れのレイノルズ数であるが,もう一つ流体のプラントル数にも制限がある.それは,プラントル数が大きくなるにつれ,温度場を解像するためにより多くの格子点数を必要とする事による.そのため,従来は,空気等の気体に相当するプラントル数1までのDNSは行われていたが,それ以上のプラントル数流体についてのDNSは行われていなかった. そこで本研究では,従来行われていなかった水に相当するプラントル数までの流体について乱流熱伝達のDNSを行い,その結果から,低〜中プラントル数に適用し得る乱流モデル(RANS)を検討することを目的としている. 今年度は,水に相当するプラントル数5の流体について,平行平板間乱流熱伝達のDNSを行った.シミュレーションの結果,平均温度分布や温度変動ならびにそれらの輸送方程式の収支等を得た.これは世界最高のプラントル数のDNSであり,国際せん断乱流会議で発表した結果,セレクテッドペ-パ-として,学術雑誌に掲載されることとなった.また,すでに蓄積した低プラントル数流体についてのDNSデータをも用いて,乱流熱流束のRANSモデルを構築した.構築したモデルは,DNSから得られた平均温度分布やその他の統計量を十分良く予測することができた.この結果を,来年度行われる国際伝熱会議に発表することとし,採択されている.
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[Publications] KAWAMURA,H, 他: "An application of a near-wall K-ε model for the turbulent channel flow with transpiration and for the oscillatory flow" Turbulence,Heat and Mass Transfer (Def^+ Univ.Press). 379-388 (1997)
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[Publications] KAWAMURA,H, 他: "DNS of Turbulent heat transfer in channel flow with low to medium-high Prandtl number fluid" International Journal of Heat and Fluid Flow. (発表予定). (1998)
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[Publications] 大宮司久明, 他(編): "乱流の数値流体力学 モデルと計算法" 東京大学出版会, 652 (1998)