1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650273
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉村 卓也 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50220736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 鉄也 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70240504)
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Keywords | 多次元振動 / モード解析 / モード主軸 / 最適設計 |
Research Abstract |
本研究では,基礎から振動を受ける構造物の振動応答が入力の方向によってどのように変化するかをモード解析の観点から考察し,構造物の動特性の方向特性を明らかにした.まず,構造物のモード特性の一つとしてモード主軸を提案し,モード特性における方向特性を明らかにした.さらに,構造物の応答は各固有モードの重ね合わせで表されることから,入力波が与えられてその入力方向が不確定の場合に,応答が最大および最小となる入力方向について考察した.これを応答主軸として定義し,任意波形の入力に対して構造物の応答を2乗平均で評価した場合の最大及び最小を与える入力の方向とその応答の大きさを評価する方法を提案した. 特に本年度においては,提案した理論の基礎的な事項を確認した上で,これを最適設計に適用することを試みた.例えば地震や風などのように,入力波の性質は想定することができるが,その作用方向については不確定であるものは多い.このような入力が作用する構造物に対して動特性を考慮した設計を行うためには,あらゆる方向から入力が作用した場合の応答の最大値を考え,その最大値を最小にすることが必要となる.本研究ではまずこのための具体的な設計指針として,本研究で提案したモード主軸と応答主軸を用いることができることを示した.一例として,はり構造物の断面の径をパラメータとして,重量一定の条件の元で,あらゆる方向の入力に対する応答が最小となる径の分布を求めた.ここで評価する応答としては,系全体の応答の二乗平均値,振動エネルギ,ひずみエネルギなどを用いることができる.以上のことから本研究では,提案した方法が,構造物の動特性の方向性を考慮した最適設計を行うために有効であることを示した.
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