1999 Fiscal Year Annual Research Report
人間との共同作業のための冗長腱駆動ロボットアームの開発
Project/Area Number |
09650298
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小林 博明 明治大学, 理工学部, 教授 (60130811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵頭 和人 神奈川工科大, 工学部, 講師 (10271371)
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Keywords | 腱駆動 / 関節剛性 / リアプノフ安定性 / 非線形弾性 |
Research Abstract |
本年度は(1)冗長腱駆動ロボットに対するインピーダンス制御方式の検討と腱駆動ロボット用ロボット言語の開発、(2)人間の作業中の関節剛性の測定法の検討と冗長腱駆動ロボットによる作業の実行、(3)腱駆動多関節型ハンドの開発、を目標としていた。 (1)については、今までは内側に腱張力制御ループを持ち、外側に関節角度及び関節剛性制御用のループを持つ2重ループ制御器を用いていたが、この制御器では外側のループのバンド幅が内側のループのそれによって限定され、高速な応答が困難であった。そこで今年は関節の不足減衰特性を補償するため関節速度制御項を付加したSet-Point位置制御器および力制御器を提案し、そのリアプノフ安定性を検討した。その際、腱の非線形弾性を利用することで安定条件を満足できることを示した。また、制御中に腱がゆるまないためのバイアス張力の決定法についても明らかにした。これらの結果に関してはシミュレーション及び実験によってその有効性を確認した。これによって安定したインピーダンス制御が可能となった。また、腱駆動ロボットを組み込むためのマルチエージェントロボットシステムの開発を行い、関節剛性の調整エーゼントや腱破断補償エージェントなどの検討を行った。 (2)については、人間の作業中の剛性の測定は困難で実用的でないと考え、強化学習によりロボット自身が最適な関節剛性を学習することに方式を変更した。シミュレーションを用いて、位置決め作業と打撃作業に対する学習を実行したところ、この手法が有効であることを確認できた。 (3)に関しては、各指が2関節から成り3本の腱で駆動される2本指腱駆動型ハンドを製作した。また、剛性調整のための簡単軽量な非線形弾性装置を開発し、その有効性を確かめた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 兵頭和人: "冗長腱を持つ腱駆動ロボット機構の剛性調整"日本ロボット学会誌. 17・4. 493-502 (1999)
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[Publications] 小林博明: "ロボットシステムの動的開発環境に関する研究"明治大学科学技術研究所紀要. 38. (2000)
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[Publications] Hirokazu Noborisaka: "A Design of a Tendom-Driven Articulated Mechanism and its Stiffness Adjnstability"Proc, of Int, Symp on MOVIC. 68-73 (1999)
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[Publications] Ruta Ozawa: "Control of Coupled Tendon-Driven Mechanisms with Nonlinear Tendon Elasticity"Proc, of Int, Symp. on MOVIC. 151-156 (1999)
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[Publications] Ruta Ozawa: "Stability of a Set-Point Control of Tendon-Driven Manipulators"Proc, of 2000 JUSA. (2000)