1998 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー貯蔵設備のエネルギー収支分析・温暖化影響分析に関する研究
Project/Area Number |
09650304
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 英一 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (10124538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 裕幸 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30214779)
長谷川 淳 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (40001797)
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Keywords | 電力系統 / エネルギー貯蔵 / ライフサイクル / エネルギー収支分析 / 地球温暖化 / 超電導エネルギー貯蔵 |
Research Abstract |
本研究は、ライフサイクルの観点から、エネルギー貯蔵設備がエネルギー収支および地球温暖化へ与える影響の分析を主な目的として行われた。具体的には、まず、エネルギー貯蔵設備への投入エネルギー、節約エネルギーおよび二酸化炭素排出量等の評価を行い、既存の発電プラントや今後普及が予想される燃料電池、太陽光発電といった新型発電プラントとの比較検討を行った。また、エネルギー貯蔵設備の電力系統への導入による影響についても、導入前後の系統全体でみたエネルギー収支および二酸化炭素排出量等を、モデル系統を用いたシミュレーションにより試算し、総合的な評価を行った。さらに、系統構成の違いによる影響についても2030年の予想負荷パターンを一例として詳細な検討を行い、貯蔵設備も含めた将来の最適電源構成のあり方に関する指針を求めている。 本年度の主な研究成果は、以下のとおりである。 1. 環境対策コストに関する分析を行い、高効率な超電導エネルギー貯蔵設備の年間コストが5万円/kW程度以下であれば、LNGや石炭火力の脱炭設備と同程度、自然エネルギー発電プラントに比べて1/2〜l/10のコストで二酸化炭素排出量を削減できることを明らかにした。 2. エネルギー貯蔵設備の電力系統における負荷率改善効果に関する検討を行い、目標とする負荷率改善量に対する貯蔵設備の必要導入量の関係を明らかにした。特に、超電導エネルギー貯蔵のように高効率の設備を用いた場合でも、10%程度までの負荷率改善に対しては1%につき系統容量の1%弱の容量で十分であるのに対して、10〜20%では系統容量の2%以上が必要となり、改善効果の飽和が認められた。
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