1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 修 京都大学, 工学研究科, 助手 (70093333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 武久 関西大学, 工学部, 教授 (20026214)
宅間 董 京都大学, 工学研究科, 教授 (50221370)
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Keywords | 真空 / 沿面放電 / 帯電 / 帯電機構 / スペ-サ / 絶縁設計 / フラッシオーバ |
Research Abstract |
真空中で高電界に曝される固体支持物は、その表面に沿う放電の発生によって真空を利用する機器の運転に支障をもたらすことがある。この放電は陰極から放出された電子が支持物表面を衝撃して帯電せしめるために生じる。本研究では帯電現象を考慮した支持物の形状設計を合理的に行うための基礎的研究を行っている。本年度は基本的形状である円柱形の模擬支持物について、真空中の電子の運動と二次電子放出特性とを考慮した帯電電荷分布のシミュレーション結果と、測定による帯電分布の平衡状態(試料が十分長い時間、高電圧に曝されたときの電荷分布に相当する)に対する測定結果とが精度良く一致することを確かめた。一方、帯電のプロセスを把握するための実験も行った。この実験では、電界変歪が生じないように配慮して陰極に静電プローブを埋め込み、帯電の進行とともに変化する陰極の電界を測定した。まず、印加電圧を直線的に上昇する直流高電圧として、測定電界とシミュレーションによる計算結果とが良く一致することを確かめた。また、この実験で、帯電に必要な最低電圧(帯電開始電圧)が存在することが明らかとなり、その電圧がシミュレーションを用いて理論的にも説明できることがわかった。次に、印加電圧をステップ電圧として帯電の時間特性を測定し、帯電が生じるまでの遅れ時間が印加電圧の上昇とともに指数関数的に短くなることを明らかにした。以上により、基本的な支持物形状について帯電機構に関する考察や帯電特性をかなりの程度に明らかにすることができ、また、精度の高いシミュレーション方法を開発することができた。来年度は、帯電時間特性の模擬、円錐台形の模擬支持物にたいする測定とシミュレーションなどを行って、帯電特性の把握とシミュレーション方法の改良を行い、合理的な絶縁設計手法を確立する予定である。
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Research Products
(1 results)