1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650315
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 修 京都大学, 工学研究科, 助手 (70093333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 武久 関西大学, 工学部, 教授 (20026214)
宅間 薫 京都大学, 工学研究科, 教授 (50221370)
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Keywords | 真空 / 帯電測定 / 帯電シミュレーション / スペーサ / フラッシオーバ |
Research Abstract |
真空機器の電気絶縁において最弱点となるのが高電圧部分を支える固体絶縁物の表面である。絶縁物表面は陰極からの電子の衝突によって帯電し、これをきっかけとして沿面放電を起こす。本研究は、固体絶縁物表面の帯電を考慮して支持物の形状を合理的に設計しようとするもので、その基礎として陰極表面の埋め込みプローブを用いて帯電から絶縁破壊までの過程をオンラインで追尾する従来にない計測法を開発した。この計測法によって種々の絶縁物(アルミナセラミクス、アクリル樹脂、テフロン樹脂)と帯電との関係を明らかにし、その成果の一部は既に国際会議に発表したほか、米国電子電気学会論文誌(IEEE)に掲載され、さらに日本電気学会論文誌に投稿中である。一方、種々の支持物形状に適用できる帯電シミュレーション技法の開発を行った。帯電シミュレーション法として、(a)帯電分布の定常解を求める解析的方法、(b)帯電の時間的進展を求めるモンテカルロ法の2法を開発した。これらの方法による結果は、共同研究を行った英国Strathclyde大学の測定結果とよく一致し、日本電気学会誌に掲載された。以上の成果ののなかで、本研究の計測法は表面粗さに起因する帯電状態の僅かな変化に敏感に反応することが既に明らかになっている。これにより、今後材料やその表面処理に関する選定の指針が明確になり、合理的で最適な支持絶縁物の設計が可能になると期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山本修 他: "真空沿面フラツシオーバ特性と陰極接合部電界" 電気学会論文誌(A). 119・2. 159-164 (1999)
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[Publications] 山本修 他: "真空中絶縁スペーサの帯電分布と帯電メカニズムの検討" 電気学会論文誌(A). 119・2. 171-176 (1999)
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[Publications] O.YAMAMOTO et al.: "Real-Time Observation of Surface Charging on a Cylindrical Insulator" IEEE Trans.Dielectics and Electrial Ensulatira. 5・6. 961-965 (1998)
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[Publications] 山本修 他: "真空中の固体誘電体帯電現象における表面粗さの影響" 電気学会放電研究会資料. ED・98・206. 43-49 (1998)