1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650330
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
西方 正司 東京電機大学, 工学部, 教授 (80092568)
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Keywords | 船舶 / 発電機 / 軸発電システム / 過渡特性解析 / 他励式インバータ / 同期調相機 |
Research Abstract |
本研究の目的は,現在大型船舶の電源設備として実用に供されている,軸発電システムの定常並びに過渡特性を表す理論式を導出し,これを基に系各部の設計や制御法等を明らかにし,もって高性能な軸発電システムの実現を目指すことにあった。本年度は,昨年度に引き続き軸発電システムの特性の詳細な解析法を導出し,特に軸発電機の出力電圧(インバータの直流入力電圧)や負荷が変動したときの過渡時の特性を理論的・実験的に検討した。研究の結果,以下の各事項が明らかとなった。(1)軸発電システムの直流電源電圧や負荷などが変化したときの過渡時の特性を検討できる方程式を導出し,これをシミュレーションブロック図に表現した。ブロック図より,軸発電システムは直流側等価リアクトル,同期調相機のd軸およびq軸ダンパ回路,界磁回路,及び機械系のため,5次の非線形系で表されることが判明した。(2)供試システムを対象に電源電圧及び負荷変化時の電気的・機械的過渡応答を検討した。その結果,電源電圧を増加させると同期調相機の回転速度及び出力電圧が増加すること,また負荷を増加させると回転速度は増加するが出力電圧はあまり変化しないことなどが判明した。(3)電源電圧及び負荷変化時の過渡応答に及ぼす同期調相機の慣性モーメントの影響を調べた。その結果,慣性モーメントの大きいほど応答の収束に時間がかかり,一旦増加した直流側電流の抑制にも時間のかかることなどが明らかとなった。 次年度以降は,ここで導出した過渡方程式を,軸発電システムの閉ループ制御系の設計や特性改善その他に応用する予定である。
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[Publications] Shoji Nishikata: "Performance Analysis of a Shaft Generator System and Consideration of its Operation Limit" International Conference on Electric Ship. 46-51 (1998)
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[Publications] 西方正司: "軸発電システムの特性解析" 電気学会論文誌D. 118-D,No,10. 1209-1216 (1998)