1998 Fiscal Year Annual Research Report
高周波リンクにイミタンス変換器を用いた太陽光発電用系統連系インバータの開発
Project/Area Number |
09650333
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
入江 寿一 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (00081274)
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Keywords | 太陽光発電 / 系統連系インバータ / イミタンス変換器 / 高周波リンク |
Research Abstract |
イミタンス変換器の基本特性に関しては,T形およびπ形の共振形イミタンス変換器について負荷インピーダンスと効率の関係を明らかにした。どの形式のイミタンス変換器も負荷インピーダンスが共振回路の特性インピーダンスと等しいときに最大効率を示す。最大効率の値は共振回路のQに依存し,Qが100のとき最大98パーセントとなる。また,負荷インピーダンスが特性インピーダンスの113から3倍の範囲で97パーセント以上,1/4から4倍の範囲で96パーセント以上となり,広い負荷範囲に対応できることが明らかとなった。試作実験では最大効率98.6パーセントを得て,電力変換器として十分使用できるものであること示した。 新しい系統連系インバータは,現在市販されている19キロヘルツの絶縁型高周波リンクを持った出力3キロワットの,太陽光発電系統連系インバータ装置を購入し,連系リアクトルを取り外して新たに制作したT-LCL形イミタンス変換器を取り付け,実験している。現在1キロワットまでの出力が得られている。19キロヘルツ正弦波比較のPWMインバータは出力電圧の基本波成分が変調信号し比例し,イミタンス変換器で電流に変換して変調信号でAMされた高周波の電流となる。変調信号を系統周波数正弦波とすれば系統に同期した振幅を持つ高周波電流が得られ,復調して系統周波数の正弦波電流を供給することができる。試作実験では,ほぼシミュレーションと同じ動作波形および正弦波電流が得られ,正弦波電流は系統電圧の波形歪みおよび振幅の影響をほとんど受けない定電流特性が得られている。系統電圧をステップ状に変化させたとき,正弦波電流の波形および振幅はほとんど変化せず,過渡振動も0.1ミリ秒で消滅し,優れた過渡特性を示している。
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[Publications] H.Irie & H.Yamana: "Immittance Converter Suitable for Power Electronics." Electrical Engineering in Japan(Engl.Ed.of Denki Gakkai Zassi). 124・2. 53-62 (1998)
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[Publications] 入江,大西,櫻井,山名: "イミタンスコンバータの効率特性" 電気学会産業応用部門全国大会講演論文集 215. III. 107-112 (1998)
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[Publications] 大西,入江,櫻井,山名: "イミタンスコンバータの効率特性に関する検討" パワーエレクトロニクス研究会論文誌. 24・1. 56-62 (1998)
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[Publications] 高下,入江,江口,日吉: "イミタンス変換器を用いた太陽光発電系統連系インバータの動作波形" 電気学会産業応用部門全国大会講演論文集 T-29. II. (1998)
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[Publications] 高下,入江,江口,日吉: "イミタンス変換器を用いた太陽光発電系統連系インバータの過渡特性" 平成10年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集G4-35. G129 (1998)
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[Publications] 大西恭三・入江寿一: "損失を含んだイミタンス変換器の等価回路" 平成10年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集G4-36. G130 (1998)