1999 Fiscal Year Annual Research Report
高周波リンクにイミタンス変換器を用いた太陽光発電用系統連系インバータの開発
Project/Area Number |
09650333
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
入江 寿一 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (00081274)
|
Keywords | イミタンス変換器 / ジャイレータ / 電圧電流変換 / 高周波リンク / 太陽光発電 / 系統連系インバータ / 効率 / 非接触給電 |
Research Abstract |
新しく開発した系統連系インバータは,19キロヘルツの絶縁型高周波リンクに新たに設計・制作したトランス一体型T-LCL形イミタンス変換器を取り付け,定格出力3キロワツトである。従来の連系リアクトルは不要で,フィードバック制御なしで歪み率3パーセントの正弦波電流出力が得られ,系統電圧の波形歪みおよび振幅の影響をほとんど受けない。系統電圧をステップ状に変化させたとき,正弦波電流の波形および振幅はほとんど変化せず過渡振動も0.1ミリ秒で消滅し,優れた過渡特性を示している。効率は,総合で90パーセント以上である。 イミタンス変換器はジャイレータとも呼ばれる。その基本特性に関しては,5種類の共振形イミタンス変換器について周波数特性,電圧電流変換特性,効率特性を明らかにした。どの形式のイミタンス変換器も負荷インピーダンスが特性インピーダンスと等しいときに最大効率を示す。最大効率は共振回路のQが100ならば98パーセントとなる。負荷インピーダンスが特性インピーダンスの1/3から3倍の範囲で97パーセント以上,1/4から4倍の範囲で96パーセント以上となり,広い負荷範囲に対応できることが明らかとなった。試作実験ではLCL形で最大効率98.6パーセント,ハイブリッド形では最大99.4パーセントを得て,電力変換器として広く応用可能であること示した。共振周波数と使用周波数の偏差は±5パーセントまで許せることが明らかとなった。 イミタンス変換器の他の応用例として,搬送車の動力源となる非接触給電装置の受電部に使用して定電流-定電圧変換を行った後に復調すれば,受動素子のみの構成で直流電圧源が得られることを示した。イミタンス変換器の出力を復調する技術は系統連系インバータにも共通で,相互に設計データを参照することができた。
|
-
[Publications] 入江寿一: "パワーエレクトロニクスに適するイミタンス変換器"電気学会論文誌. 117D-8. 962-969 (1997)
-
[Publications] H.Irie: "Immittance Converter Suitable for Power Electronics"Electrical Engineering in Japan. 24-2. 53-62 (1998)
-
[Publications] 入江寿一: "イミタンス変換器を用いた太陽光発電系統連系インバータ"電気学会論文誌. 120D-3. 410-416 (2000)
-
[Publications] 木村文弥: "イミタンス変換リンクを持つ太陽光発電系統連系インバータのシミュレーション"パワーエレクトロニクス研究会論文誌.
-
[Publications] 大西恭三: "イミタンスコンバータの効率特性に関する検討"パワーエレクトロニクス研究会論文誌.
-
[Publications] "イミタンス変換器を用いた非接触給電装置"電気学会論文誌. (掲載予定).