1998 Fiscal Year Annual Research Report
カラー複写機・レーザプリンタ用エレクトレット化一成分トナーに関する研究
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09650341
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
竹内 学 茨城大学, 工学部, 教授 (00007775)
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Keywords | 電子写真 / トナー / エレクトレット / トラップ / 一成分現像剤 |
Research Abstract |
本研究では電子写真現像剤としてあらかじめ電荷を付与したトナーを使用することにより、一成分現像プロセスの信頼性を向上させ、システムの小型化、フルカラー化、メインテナンスフリー化を同時に実現することを目的としている。そのため、まずトナーに摩擦帯電、コロナ帯電により電荷を付与し、その電荷がトナーに保持される様子、すなわち長時間にわたるトナーからの電荷の減衰挙動を観測した。コロナ帯電による電荷付与の場合は摩擦帯電のときより電荷減衰は多少速いものの、摩擦帯電、コロナ帯電によりトナーに付与された電荷は乾燥雰囲気中では1週間以上にわたってかなりの割合で保持されることを確認した。ただし、トナーの電荷保持挙動は雰囲気の湿度に非常に敏感で、相対湿度80%以上の雰囲気ではトナーの電荷は数時間程度で減衰することがわかった。 トナーの電荷保持機構を解明するため、熱刺激表面電位減衰(TSCD)の測定を行いトナーに付与されてトラップされている電荷の散逸のメカニズムをしらべることを試みた。そのため、ヒーターを備えた金属製試料テーブル、熱電対温度計、表面電位計などからなる熱刺激表面電位減衰測定システムを試作した。いくつかのポリマーを試料にしてTSCDの測定を行った結果、たとえばポリプロピレンの帯電に関与するトラップの深さは、正コロナ帯電のとき0.99eV、負コロナ帯電のとき1.2eV、摩擦帯電(正)のとき0.91eVと求められた。これらの値は十分に大きく、トナーの電荷保持能力が高いこととつじつまがあうことを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山田晋太郎: "ポリ塩化ビニール(PVC)粉体の帯電性に及ぼすフッ素プラズマ処理の効果" 粉体工学会誌. 35,9. 644-648 (1998)
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[Publications] Chiseki Yamaguchi: "Influence of Toner Particle Shapes and Size on Characteristics of Non-Magnetic Monocomponent Developing Process" Proc.3rd Int.Conf.Imaging Sci.Hardcopy. 26-29 (1998)
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[Publications] Toshihiko Noshiro: "Influence of Toner Shape on its Tribocharging" Proc.Pan-Pacific Imaging Conf.215-218 (1998)
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[Publications] Masayuki Ishii: "Mono-Component Non-Magnetic Contact Developing System using Positively Charging OPC and Positively Charging Polymerization Toner" Proc.Pan-Pacific Imaging Conf.245-248 (1998)
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[Publications] Yutaka Fukuchi: "A Comparative Study on Toner Adhesion Force Mea-surements by Toner Jumping and Centrifugal Methods" Proc.Int.Conf.Digital Printing Technol.552-555 (1998)
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[Publications] 竹内学: "静電気ハンドブック(「粉体の帯電」を分担" オーム社, 1294 (1998)