1997 Fiscal Year Annual Research Report
新しいスパッタ堆積モードによる強誘電体(PZT)薄膜の低温形成とその機構解明
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09650349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 公洋 金沢大学, 工学部, 助教授 (40162359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 朋延 金沢大学, 工学部, 教授 (50019767)
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Keywords | スパッタリング / PZT薄膜 / 金属モード / 酸化物モード / 同位体酸素 / ZrTiターゲット / 金属・酸化物複合ターゲット |
Research Abstract |
平成9年度は,同位体酸素(^<18>O_2)ガスを用いてPZT薄膜を作製し,膜に含まれる酸素の質量をSIMSを用いて調べた.酸素ガス流量2.1%と14%の2種類のPZT膜を作製し比較した.2.1%の場合Zr-Tiターゲット表面は酸化せず,金属原子がスパッタされ基板表面へ供給され(金属モード),14%の場合酸化が起こり(酸化物モード)金属酸化物が供給されることになる.この実験の結果,金属モードでPZT薄膜を作製すると,膜中酸素のうち90%はPbOからきた酸素であり,残り10%が流した酸素ガスからきたものであることが判明した.従って,この場合PbOが主要な酸素源ということになる.ここで酸素の輸送のされ方には2通りあると考えられる.すなわち,PbOがスパッタされるときに,PbとOに分離して原子状酸素の形で供給される場合と,PbO分子でスパッタされ基板に到達し,PbOはTiおよびZr金属に還元され,Pbは蒸発するという2通りが考えられる.現状ではこの過程のどちらであるかは分かっていない.今後解明すべき課題である. 一方酸化物モードの場,合PbOから供給される酸素は30%であり,流した酸素ガスが主要な酸素源であった.酸化したターゲット表面からTiO_2やZrO_2の形で基板表面に供給され膜形成が起こっていると考えられる.以上のように,スパッタリングのモードの違いにより酸素の起源が異なることが明らかとなった.さらに,この酸素の起源の違いは,結晶性の違いにも影響を与えていると考えられる.この現象は新しい酸素の供給法に応用できると期待される.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Sasaki, W.Zhang, S.Kawagoe T.Hata: ""Origin of Oxigen in PZT Films Prepared by Metal-Oxide Combined Target" Proc.of 4th International Symposium on Sputtering and plasma process. 607-612 (1997)
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[Publications] T.Hata, W.Zhang and K.Sasaki: "Propose of New Target for PZT Thinfilms by Reactive Sputtering" Proc.of 4th International Symposium on Sputtering and plasma process. 617-622 (1997)
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[Publications] T.Hata, W.Zhang.S.Kawagoe K.Sasaki: "Propose of New Mixture Target for Low Temperature and High Rate Deposition of PZT Thin Films" Ext.Abs.of Solid State Devices and Materials. 36-37 (1997)
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[Publications] K.Sasaki W.Zhang ant T.Hata: "Origin of oxygen in Pb(Zr,Tr)O_3 films prepared by metal-oxide combined target." Vacuum. (to be published). (1998)