1997 Fiscal Year Annual Research Report
新しいベクトル磁気特性から見た磁性材料の改善に関する研究
Project/Area Number |
09650364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
榎園 正人 大分大学, 工学部, 教授 (40136784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槌田 雄二 大分大学, 工学部, 助手 (80284785)
戸高 孝 大分大学, 工学部, 講師 (50163994)
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Keywords | 2次元磁気特性 / 簡易型2次元磁気測定装置 / 方向性けい素鋼板 / 2次元磁気センサー / 鉄損分布 |
Research Abstract |
本研究の遂行で得られた結果の概要を以下に要約する。 1.簡易2次元磁気測定装置の開発 我々が開発してきた2次元磁気測定装置は、材料中の磁気現象をベクトル的に測定できるものであるが、その測定法の複雑さから実用面での検討が必要であると要望されてきた。そこで今回、多少の精度を犠牲にしても簡便に2次元磁気特性が測定できる装置として、簡易2次元磁気測定装置を開発した。また本装置の基本的特性を明らかにし、その有用性を国際学会にて報告した。 2.方向性けい素鋼板の局所2次元磁気測定装置の開発 2次元磁気センサーを用いて、方向性けい素鋼板の局所的な磁気特性分布を明らかにした。その結果、結晶粒形、異方性の影響により、1枚の鋼板内においても、鉄損分布が一様でないことが明らかになった。従来までは1枚の鋼板では、その全鉄損を測定するのみであったので、この結果を基づき方向性けい素鋼板を用いている変圧器等の電気機器の効率改善が期待できる。 3.2次元磁気特性を考慮した新しい有限要素磁界解析手法の開発 2次元磁気測定装置で測定を行った磁気特性を有用に活用するために、2次元磁気特性を考慮した有限要素法の開発を行った。本年度は、変圧器実験モデルで従来法との比較を行い、3相変圧器モデルに適用した。その結果、変圧器実験モデルではコーナ部で、磁束密度Bと磁界強度Hとの関係が従来法とは大きく異なることが分かった。3相変圧器では回転磁束が発生している主脚部において、従来まで対称と考えられていたBとHの分布が非対称であり、従来法ではこの部分の損失を少なく評価していることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masato Enokizono: "Studies on a New Simplified Rotational Loss Tester" IEEE Trans. on Magnetics. 33,5. 4020-4022 (1997)
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[Publications] Masato Enokizono: "Local Iron Loss Distribution in a Grain-oriented 3% Silicon Steel Sheet -Two Dimensional Magnetic Measuremnet-" Journal of Magnetism and magnetic materials. 162(in press). (1998)
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[Publications] 榎園正人: "方向性けい素鋼板の局所2次元磁気特性" 日本応用磁気学会誌(印刷中). 22. (1998)
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[Publications] Masato Enokizono: "Distribution of Magnetic Properties in a New Inhomogeneous Sheet Material" Journal of Magnetisum and magnetic materials,. 162(in press). (1998)
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[Publications] Masato Enokizono: "Finite Element Analysis of Transformer Model Core with Measured Reluctivity Tensor" IEEE Trans. on Magnetics,. 33,5. 4110-4112 (1997)
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[Publications] Masato Enokizono: "Direct Magnetic Loss Analysis by FEM Considering Vector Magnetic Properties" IEEE Trans. on Magnetics,. 34(in press). (1998)