1997 Fiscal Year Annual Research Report
ECRプラズマによる窒化ガリウム砒素の結晶成長と光電子集積回路実現への基礎的検討
Project/Area Number |
09650372
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
淀 徳男 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (70288752)
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Keywords | OEIC / GaAs on Si / 格子不整合 / 界面電荷整合性 / エピタキシャル成長 / GaAs_<1-x>N_x / ECRプラズマ / 窒化物 |
Research Abstract |
今日のエレクトロニクスでは性能向上にも限界が見え、従来の主役である電子に加えて光がそれぞれの特徴を生かして役割分担する新しい概念のデバイス・光電子集積回路(OEIC)の開発が待たれている。しかし、これを実現する上で各構成材料であるSiとGaAsとの異種接合間には約4%の格子不整合という根本的な問題があるため結晶性が著しく劣化してしまい、実現への大きな障壁となっている。本研究では、以上の問題点を改善する為の基礎的検討の一手段として、Si基板と格子整合可能な新材料GaAs_<1-x>N_x混晶に着目し、この混晶の結晶成長を行い、高品質な混晶を作製できる成長技術を確立することにある。Siと格子整合させる為にはNの混晶比を20%まで含有させる必要がある。Nの混晶比は成長温度の低下と共に増大することから、400℃以下で低温成長できればSiと充分格子整合できると予想される。また、OEICの実現を狙った場合、低温下で成長できることがSiの集積回路素子に熱的ダメ-ジを及ぼさないうえでも重要となる。しかし、500℃以下では混晶の結晶性は極端に悪化する事から、我々はプラズマ発生時のパワーを100Wから1kWまでと今まで報告されている値(80から300W)と比べて高く設定し、プラズマによる結晶性を改善させる効果を盛り込んだ結晶成長を試みている。まだ、現在期待した効果はでていないが、なお検討中である。また、SiとGaAs_<1-x>N_xの間には格子不整合の問題だけではなく、界面で電荷不整合性の問題が発生する事も結晶性の悪化を引き起こす。我々はミクロ的な電荷不整合性のない組み合わせとある場合として、Ge/SiとGaAs/Siの(110)面に着目し、これらを比較して界面電荷整合性を保つ上で(110)基板、しかも[001]方向に4°以上微傾斜させたSi基板を使用することが結晶性の向上に効果的であることを見いだした。
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[Publications] T.Yodo: "Anisotropic Strain Estimated from Lattice Parameters Measured by Bond Method Using X-Ray Diffraction,in Molecular Beam Epitaxy-grown GaAs/Si(001)" Japanese Journal of Applied Physics. 37巻・2号(掲載予定). (1998)
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[Publications] T.Yodo: "Effect of Substrate Orientation on Lattice Parameters and Strains in GaAs Heteroepitaxial Films on Si Substrates" 16th Electric Materials Symposium Record. 125-126 (1997)