1997 Fiscal Year Annual Research Report
半導体デバイスプロセス用途・導電性ダイヤモンド状炭素膜のプラズマCVD
Project/Area Number |
09650382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
木下 治久 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (70204948)
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Keywords | ダイヤモンド状炭素膜 / マグネトロンプラズマ / スーパーマグネトロンプラズマ / プラズマCVD / フィールドエミッタ |
Research Abstract |
本研究により電界放出微小エミッタに最適な1Ω・cm前後の低抵抗導電性ダイヤモンド状炭素膜を作製した。成長温度等のパラメータの制御により、高硬度で抵抗値の十分に低い、導電性機能物質であるアモルファス状ダイヤモンド薄膜の作製法及び物性を研究した。この導電性ダイヤモンド状炭素膜を微小フィールドエミッタのコーティングに応用し、良好な電流-電圧特性を得た。 6インチウエハ対応のスーパーマグネトロンプラズマCVD装置を用い、i-C_4H_<10>とN_2の混合ガスプラズマによりSiウエハ及びSiO_2ウエハ上に導電性ダイヤモンド状炭素膜を成膜した。窒素濃度に比例して抵抗率が減少し、堆積速度も減少した。RF電力300Wでは0.1μm以上の厚さの導電性膜が堆積したが、400W以上では0.1μm以上には堆積しなかった。成膜温度又はRF電力の上昇とともに抵抗率は減少した。RF電力1000W、成膜温度160℃の時、最小の抵抗率0.17Ωcmの膜が得られた。FT-IR測定によりN原子の膜中への取り込みが確認された。ラマン散乱の測定によりC-CのSP^3結合が確認された。光学的測定により0.5〜1evのバンドキャップを見出し、ホール効果測定によりn型の半導体であると推測される事を見出した。 この導電性ダイヤモンド状炭素膜を微小フィールドエミッタのコーティングに応用し、典型的なエミッション電流特性を得た。この膜をSiフィールドエミッタにコーティングすることによりエミッタの駆動電圧の低減が確認された。また、エミッション電流のランダムノイズがコーティングにより低減されることを確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 増田剛: "導電性ダイアモンド状炭素膜を被覆した微小電子源の電子放出特性" 電子情報通信学会信学技報. ED97-173. 45-50 (1997)
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[Publications] 半戸琢也: "i-C_4H_<10>/N_2スーパーマグネトロンプラズマを用いた導電性硬質カーボン膜の成膜(IV)" 第58回応用物理学会学術講演会講演予稿集. NO.2. 568-568 (1997)