1997 Fiscal Year Annual Research Report
分子線エピタキシ-法によるIII-V族窒化物半導体共振器型紫外線受光デバイスの開発
Project/Area Number |
09650388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 一郎 上智大学, 理工学部, 助手 (00266074)
菊池 昭彦 上智大学, 理工学部, 助手 (90266073)
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Keywords | ガリウムナイトライド / アルミニウムナイトライド / 共振型受光素子 / 紫外線受光素子 / 窒化物半導体 / 多層膜反射鏡 / シャッター制御法 / 分子線エピタキシ- |
Research Abstract |
本年度は、共振型紫外線受光素子の要素技術の確立を目的として、AlGaN多層膜反射鏡(DBR)の理論解析、分子線エピタキシ-(MBE)法によるAlGaNのAl組成制御法の開発、高品質GaNの高速度成長、及び、InGaN多重量子井戸構造の作製を行った。 電磁界方程式を用いて、AlGaN-DBRの反射率の理論解析を行った。一例としてGaNの吸収端波長である364nmに中心を持つ反射鏡はAl_<0.07>Ga_<0.93>NとAl_<0.58>Ga_<0.42>Nを組み合わせて作製できる。この場合、99.9%の反射率を得るために必要な層数は30ペア(層厚約2.2μm)となる。また、364nmに対する反射率99%以上を得るためには、±3%の層厚制御が必要であるが、Al組成の誤差は-30%程度まで許容されること等が分かった。 Al組成の異なるAlGaNで構成されるDBRをMBE法で作製するには、通常、複数のAlセルを装着するか、各層の界面で成長中断を設けてAlセル温度を調節する必要がある。ここでは、GaNとAlGaNの短周期超格子構造を用い、その層厚比と繰り返しパターンを変えて等価的なAl組成を制御する手法を開発し、Al組成制御が可能であることを示した。 MBE法は、安全性や層厚制御性、成長中モニタリングなど、他の成長法には無い優れた特徴を有するが、一般に成長速度が0.2〜0.8μm/hrと遅い。本研究では、高効率なRF窒素源により活性窒素の供給量を増加して、GaNの高速度成長を試みた。サファイア基板上にV/III比を変えてGaNを成長したところ、V/III比が1或いはわずかにGaリッチの非常に狭い領域において高品質な結晶の成長が可能であることがわかった。成長速度1.4μm/hrにおいて、室温残留キャリア密度2x10^<17>cm^<-3>、移動度160cm^2/Vs、室温PL半値全幅36〜46meVが得られ、1μm/hrを超える高速度成長においても高品質なGaN結晶の成長が可能であることを示した。 また、InGaN多重量子井戸構造の作製を行い、In組成の成長温度依存性、V/III比依存性等を明らかにし、室温において紫色から橙色までの広いスペクトル域にわたる発光を得た。
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[Publications] A.Kikuchi et.al.: "Shutter control of Al contents in AlGaN quasi-ternary compounds grown by RF-MBE" Journal of Crystal Growth. (1998)
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[Publications] N.Fujita et.al.: "Epitaxial growth of GaN with a high growth rate of 1.4μm/hr by RF-radical source molecular beam epitaxy" Journal of Crystal Growth. (1998)
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[Publications] A.Kikuchi et.al.: "Shutter control method for control of Al contents in AlGaN quasi-ternary compounds grown by RF-MBE" Int.Conf.on Nitride Semiconductors,Tokushima,Japan. 1-1 (1997)
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[Publications] N.Fujita et.al.: "Epitaxial growth of GaN with a high growth rate of 1.2μm/hr by RF-radical source molecular beam epitaxy" 15th Semiconductor Laser Symposium (International). 2-53 (1997)
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[Publications] H.Sasamoto et.al.: "High-speed growth of GaN and GaN/AlGaN short period superlattice quasi-ternary for Al composition control of AlGaN by RF-MBE" Int.Conf.on Nitride Semiconductors,Tokushima,Japan. 16 (1998)
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[Publications] 佐々本一 他: "エッチングによるサファイア基板平坦化のGaN成長への寄与" 第58回応用物理学会学術講演会. 4aQ6 (1997)
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[Publications] 久志公一 他: "RF-MBE法による1.2μm/hr高成長レートGaNの成長" 第58回応用物理学会学術講演会. 4aQ11 (1997)
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[Publications] 藤田信彦 他: "RF-MBE法におけるシャッター制御によるGaN/AlGaNヘテロ構造の作製" 第58回応用物理学会学術講演会. 4pQ14 (1997)
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[Publications] 杉原大輔 他: "RF-MBE法によるGaNのMEE成長" 第45回応用物理学関係連合講演会. 30pZP3 (1998)
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[Publications] 中村進一 他: "RF-MBE法によるGaN/InGaN MQWの作製" 第45回応用物理学関係連合講演会. 30pZP1 (1998)