1998 Fiscal Year Annual Research Report
InAs系ヘテロ接合を用いた室温量子効果デバイスの開発
Project/Area Number |
09650393
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々 誠彦 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (50278561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正崇 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20029325)
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Keywords | InAs / AlGaSb / 量子効果デバイス / 原子間力顕微鏡(AFM) / AFM酸化 / 単一電子デバイス / タイプII |
Research Abstract |
室温動作量子効果デバイス実現ために、InAs系材料に課せられるサイズの制約、ならびにそれを実現するための加工技術について検討した。高温で量子効果を観測するためには、デバイスの微細化が必要となるが、デバイスの微細化にともない、帯電効果による単電子現象も発現する。InAs/AlGaSbヘテロ構造をディスク構造に加工した場合の、帯電エネルギーと量子閉じ込めエネルギーを見積り、ディスクの半径が150nm程度で両者が競合する領域に入ることを昨年度見い出した。 このような領域での、伝導現象を評価するために、原子間力顕微鏡による陽極酸化プロセスを利用してInAs/AlGaSbへテロ構造に微細加工を施し、単電子デバイス構造を作製した。低温でのトランジスタ特性から単電子輸送を示すクーロン振動が現れていることが、デバイスの形状から見積もった自己容量の解析から確認された。また、得られた振動パターンの周波数成分の解析から、クーロン振動に量子効果が重畳していることも明らかになった。 上記の結果をもとに、さらに微細な加工技術を検討した。検討したプロセスはAFMによる陽極酸化を直接InAs層に施すことによって、InAsのエッチング耐性が変化し、選択的なエッチングが可能になることを見出した。この直接酸化のプロセスを利用すると、最小加工寸法が50nm以下になることがわかり、高温量子効果デバイスの実現に向けて大きな成果が得られた。 タイプIIバンド構造を利用した、バンド間共鳴トンネルダイオードを試作し、室温で20近いピーク・バレー電流比を持つダイオードが得られ、回路応用上でも十分に高い値が得られることを実証した。低温での磁気抵抗振動の評価から、トンネル電流に寄与するホールが軽いホールだけでなく、重いホールからの寄与があることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Sasa,T.Ikeda et al.,: "AFM fabrication and characterization of InAs/AlGaSb nanostructures" Solid State Electronics. 42. 1069-1074 (1998)
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[Publications] S.Sasa,T.Ikeda,et al.,: "InAs/AlGaSb nanoscale device fabrication using AFM oxidation process" Physica E. 2. 858-861 (1998)
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[Publications] S.Sasa,T.Ikeda,et al.,: "Coulonb blockade observed in InAs/AlGaSb nanostructures made by AFM oxidation process" Jpn.J.Appl.Phys.38. 480-482 (1999)
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[Publications] S.Sasa,T.Ikeda,et al.,: "Novel nanofabrication process for InAs/AlGaSb heterostructures utilizing AFM oxidation" Jpn.J.Appl.Phys.(1999)