1997 Fiscal Year Annual Research Report
超高精細画像信号の可逆的高圧縮符号化モデル構築に関する基礎研究
Project/Area Number |
09650395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
加藤 茂夫 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (00143529)
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Keywords | 超高精細画像 / データ圧縮 / 高能率符号化 / 可逆符号化 / 情報保存型符号化 / スケーラブル符号化 / 段階的伝送 / 部分復号可能 |
Research Abstract |
本研究では、超高精細画像を対象とした情報保存型高圧縮符号化方式の開発に関する基礎研究を行った。超高精細画像システムにおいては、その解像度ないし階調数の高さ故に、部分復号や段階的伝送を可能とするスケーラブル符号化可能であることが要求されている。そこでまず本研究では、超高精細画像符号化システムに要求される条件として、プログレッシビリティ、スケーラビリティ、リバーシビリティの3点を挙げ、これらを満足する符号化方式について具体的な検討を行った。まず、プログレッシビリティとリバーシビリティを同時に満足する符号化モデルとして、Wavelet変換を用いた符号化方式を提案している。まずプログレッシビリティについては、3回程度のオクターブ分割を行い、低域成分から順次伝送を行うことにより段階的伝送を可能としている。また、リバーシビリティを満足する変換として、1×3変換、T-T変換、T-S変換などいくつかの方式を取り上げ、符号化シミュレーション実験を行って最適なWavelet変換符号化モデルを構築するための検討を行った。一方、スケーラビリティについては、効率的な可変長符号であるGolomb-Rice符号が、わずかなオーバーヘッド情報を付加するだけで部分復号可能となることを示唆し、これに基づいてスケーラブルな符号化法を開発した。さらに、ここで得た知見から、一般のハフマン符号などのコンパクト符号においても、部分復号可能となり得ることを明らかにしている。また、超高精細画像のような低エントロピー情報源に対しては、コンパクト符号構成が簡単な式で導けることを明らかにした。これらの結果は、電子情報通信学会論文誌などに学術論文として採録されている。さらに画素数4000×4000以上、階調数R,G,B各12ビット程度の超高精細画像に対してシミュレーション実験を行い、従来の符号化法と比較するなどして本提案方式の有効性をPicture Coding Symposiumを初めとする国内外のコンファレンスにおいて発表している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 長谷川まどか, 加藤茂夫, 山田芳文: "低エントロピー2値無記憶拡大情報源に対するコンパクト符号構成法についての一考察" 電子情報通信学会論文誌A. vol.I80-A,No.9. 1483-1489 (1997)
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[Publications] Madoka HASEGAWA, Shigeo KATO and Yoshifumi YAMADA: "A Lossless Compression Scheme for Super High Definition Images" 1997 Picture Coding Symposium. 761-766 (1997)
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[Publications] 大澤秀史, 加藤茂夫, 安田靖彦: "ブロック単位の予測モード切り替えによる多値画像の可逆符号化方式" 画像電子学会誌. Vol.26,No.6. 708-716 (1997)
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[Publications] 館澤学, 加藤茂夫: "直交変換を用いた静止画像の可逆符号化" 映像情報メディア学会技術報告. Vol.21,No.51 MIP97-56. 37-42 (1997)
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[Publications] 郭睦凌, 長谷川まどか, 加藤茂夫: "バイナリー・エンコーダによる多値および二値情報源の符号化" 画像電子学会研究会予稿. 97-04-01. 1-4 (1997)
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[Publications] 長谷川まどか, 加藤茂夫, 山田芳文: "部分復号可能な可変長符号構成についての一検討" 電子情報通信学会技術研究報告. IE97-146. 19-25 (1998)