1998 Fiscal Year Annual Research Report
色信号の相関を用いた色彩画像の新しい符号化表現法の検索と応用
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09650398
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小寺 宏曄 千葉大学, 工学部, 教授 (70282449)
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Keywords | 画像符号化 / 画像情報圧縮 / 色相関 / 輝度・色差分離 / 関数近似 / 色領域分割 / カラークラスタリング |
Research Abstract |
本研究は、色彩情報の特徴に注目した新しい画像符号化方式の探索を目的としている。平成10年度は、中間年度の2年目に当り、当初の計画に沿って次の3つの課題を中心に取り組み、以下の成果を得た。 課題(1):基本色画像の圧縮方式の検討〜変換符号化との併用 [成果] 前年度の結論からCIELAB空間に本方式を適用した。その場合、明度L^*を基本色として、色差(A^*,b^*)はL^*の1次関数近似で大幅に圧縮されるが、L^*は非圧縮のままなので、全体として1/3以下にはなり得ない。そこで、L^*を既存の符号化法で圧縮してこれに本方式を併用した場合の復元画像を評価した。代表的なJPEGとの併用では、同一圧縮率でJPEG単独よりも色差を減少できたがブロック雑音が問題となった。一方、ウェーブレット圧縮との併用では良好な主観評価結果が得られ、本方式の有効性が確認された。 課題(2):色境界ブロック雑音対策と復元画像の評価 [成果] 本方式では、色差信号の符号化係数をブロック単位で粗く伝送するため単一ブロック内に複数の色領域が跨がる場合の色境界雑音が問題となる。これを低減するために、(a)符号化係数の平滑化、(b)ブロックの重複切出し法を実験評価した。その結果、ブロック境界の選択的平滑化法および1/4重複切出し法が効果的で、とくに前者の方法により圧縮率を低下させることなくブロック雑音を低減できた。 課題(3):色領域のクラスタリングに関する検討 [成果] 以上は、固定ブロックサイでの結果であるが、本研究の発展形として、画像の色領域を識別することができれば、さらなる効率化の可能性がある。そこで、3次元色空間における色領域のクラスタリングを利用した色相関符号化の基礎実験に着手した。距離尺度として、(a)ユークリッド距離、(b)マハラノビス距離、(c)ベイズ識別論理による最尤法、の3つを検討した結果、各種自然画像に対して最尤法が最良であった。次年度はこれらの結果を踏まえて、本符号化法の基本論理を、色領域の識別によるレイヤードコーディングへ発展的に展開していく計画である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 臼井孝,小寺宏曄: "輝度・色差信号の相関を用いた画像符号化に関する検討" カラーフォーラムJAPAN'98論文集. 133-136 (1998)
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[Publications] H.Kotera,T.Morimoto,and R.Saito: "Adaptive Color Correction based on Objects' Color Classification" Proc.SPIE. 3409. 277-285 (1998)
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[Publications] H.Kotera,T.Morimoto,and R.Saito: "Object to Object Color Matchings by Image Clustering" Proc.IS&T's 14th NIP Intl.Conf.310-314 (1998)
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[Publications] H.Kotera,T.Morimoto,and R.Saito: "Object-Orientecl color Matching by Image Clustering" Proc 6th Color Imaging Conf.154-158 (1998)
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[Publications] H.Kotera,Chen Hung-Shing,and T.Morimoto: "Object-to object color mapping by image segmentation" Proc.SPIE. 3648. 148-157 (1999)
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[Publications] 今井良枝,小寺宏曄: "色領域の識別を用いたカラー画像の符号化圧縮" 1999年電子情報通信学会総合大会論文集. D. 11-63 (1999)