1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長橋 宏 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20143084)
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Keywords | 動画像 / 奥行き情報 / 多視点ステレオ視 / 視差マップ / 画像合成 |
Research Abstract |
平成9年度は,2つの課題について研究および検討を行った. 1.映像信号に対する奥行き情報の獲得方法の検討奥行き情報をできるだけ正確に,かつ高速に獲得するための基本的な処理として,時間差分と空間差分を基本とする手法を検討し,その評価実験を実施中である.処理として,まず,空間差分のために視線方向を揃えた3台のカメラを水平方向に並べ,3眼ステレオ視を行う.中央と両端のカメラの組合せから得られる2枚の空間差分画像を適当な閾値で2値化する.値が0の領域は視差がない領域と判定し,視差の計算を省く.また,値が1の領域は,前景に物体領域が存在すると判定し,2組の空間差分画像から前景物体領域を決定し,その視差値を表す視差マップを求める.また,視差マップの更新の必要性を判定するために,各カメラにおけるフレーム間の時間差分画像を利用する.差分の処理時間を短縮するために視差マップによってマスクされた領域のみを対象として判定を行う.もし,フレーム間の差分が検出されない場合は,前フレームの視差マップを継続する.動きが検出された場合は,前フレームの視差マップの領域を参照し,動きに基づいて視差マップ領域の更新を行う.このようにして,ビデオ画像とほぼ同期した視差マップが生成可能になると考えられる. 2.奥行き情報に基づく画像の合成と利用視差マップの応用として,背景画像と前傾画像の分離による画像の合成を現在実験中である.基礎実験では,その有効性が認められている.現在の画像合成の主流であるクロマキ-法では,特定の背景色を必要とすることや前景領域中のキ-色の抜け等の問題があるが,奥行きマップ信号を利用すれば,これらの制限から開放され,効率的な合成が期待できる.次年度は,ビデオ信号と同期して奥行きマップが伝送されることを前提に,エンドユーザレベルで可能な利用法を開発していく予定である.
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