1998 Fiscal Year Annual Research Report
実時間マルチランデブ機構を持つ時間制約付きLOTOSプログラムの分散実行系の構築
Project/Area Number |
09650414
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東野 輝夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80173144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 明夫 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (60295839)
安部 広多 大阪市立大学, 学術情報総合センター, 助手 (40291603)
岡野 浩三 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70252632)
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Keywords | LOTOS / 実時間システム / マルチランデブ / 並行プロセス / 通信プロトコル / コンパイラ / マルチメディアシステム / マルチスレッド機構 |
Research Abstract |
近年,計算機ネットワークの発展に伴い,並行分散システム向けの言語の開発とその効率の良い処理系の実現が望まれている.特に実時間システムの設計開発では,複数プロセス間での実時間マルチランデブ機構(指定された時刻に与えられた同期条件が成立するときのみ同期を行う機構)を実現できることが望ましい.時間制約付きLOTUS(E-LOTOS)は並行,選択,割込などの構文と実時間マルチランデブ機構を持つ分散システム用の仕様形式言語であり,現在ISOで標準化が進められている.このようなE-LOTOSプログラムから効率の良い目的コードを生成するためには,実時間マルチランデブのための効率の良いプロセス間通信機構や目的コード内での並列処理の高速化を効率よく行うためのマルチスレッド機構,時間制約通りに複数プロセスを動作させるための制御機構,I/O処理の高速化などが必要である.本研究では,同期動作の実行時刻の同報機構やデッドラインの早いプロセスを優先実行するようようなスケジューリングを行う実時間マルチスレッド機構を実装することにより,効率のよい目的コードを生成するE-LOTOSプログラムのコンパイラの開発を行った.また,マルチメディアQoS制御のプログラムなどの例題プログラムを作成し,その性能評価を行った.その結果,C言語で同様のプログラムを直接作成した場合の15%程度のオーバーヘッドでE-LOTUSプログラムを効率よく実行できること,実時間マルチランデブ機構をうまく利用することにより,C言語でQoS制御のプログラムを記述・修正する場合に比べ,作成したプログラムサイズや修正に要したプログラムサイズを半分程度にできることなどを確かめた.
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[Publications] 安本,阿倍,東野,他: "マルチスレッド化された目的コードを生成するLOTOSコンパイラの実現" 情報処理学会論文誌. Vol.39-2. 283-292 (1998)
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[Publications] 北嶋,安本,東野,谷口: "Method to Convert Concurrent EFSMs with Multi-Rendezvous into Synchronous Sequential Circuit" 電子情報通信学会英論文誌. Vol.E81-A-4. 566-575 (1998)
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[Publications] 辰本,後藤,東野,他: "分散環境でのLOTOS仕様の実現とその評価" 情報処理学会論文誌. Vol.40-1. 333-342 (1999)
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[Publications] 北嶋,安本,東野,谷口: "Deriving Concurrent Synchronous EFSMs from Protocol Specification in LOTOS" 電子情報通信学会英論文誌(A). (採録決定).
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[Publications] 阿倍,松浦,安本,東野: "Design and Implementation of an efficient I/O Method for a Real-time User Level Thread Library" Proc. of IEEE 5th Int. Workshop on Real-Time Computing Systems and Applications (RTCSA‘98). 117-120 (1998)
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[Publications] 安本,北嶋,東野,谷口: "Hardware synthesis from protocol specification in LOTOS" Proc. of Joint Int. Conf. on 11th Formal Description Techniques and 18th Protocol Specification, Testing, and Verification (FORTE/PSTV‘98). 405-420 (1998)