1999 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークによる変形文字パターンの認識機構に関する研究
Project/Area Number |
09650434
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Research Institution | Fukuoka Institute if Technology |
Principal Investigator |
須崎 健一 福岡工業大学, 情報工学科, 教授 (40148903)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 変形文字 / 文字認識 / 誤差逆伝播法 / 視点移動 / 学習 / 複写手法 / 幾何学的変換 |
Research Abstract |
文字、音声、画像などのパターンの認識は人間が最も得意とする分野である。しかし、最新の画像技術を導入してもパターン認識が人間並みに認識できないことも情報処理技術者なら周知の事実でもある。このような背景から、ニューラルネットワークによるパターン認識に関する研究が活発に行われている。本研究は3次元空間内を移動する視点から見える文字パターンを認識することができるニューラルネットワークの認識機構に関する研究についてまとめたものである。文字を見る視点を移動すれば、文字は幾何学的な変換を受ける。視点が文字平面の中心に近寄れば文字パターンは遠近感を受ける。現在のところ、このような変形文字を認識できるニューラルネットワークは提案されていない。本研究はニューラルネットワークに複写学習法を導入し、変形文字が認識できる認識機構を提案している。本研究を以下のようにまとめる。 (1)視点移動と入力パターン分解能が3層BPネットの認識率に及ぼす影響を調べた。本研究は視点移動と文字認識の相補性の解明および3次元空間内に散在する文字などからの情報収集に基礎的な役割を果たす。 (2)基本文字を学習するだけで、変形文字や重ね文字から基本文字を分離・認識することができる複写学習モデルを提案した。本研究は歪な文字や文字同士が重なった文字の認識実験を行い、提案モデルの有効性について示した。 以上、提案モデルは従来のネットモデルに比べ、ネット構造が簡素で構築が簡単である。学習法が簡単なため文字パターンの学習時間が短いなどの利点がある。今後、本研究は汚れ文字、絵と文字の重ね、文字同士の重ね文字の分離・認識へと発展させる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 百原武敏、須崎健一、荒屋真二: "ニューラルネットワークによる顔画像を用いた個人認証実験"福岡工業大学情報科学研究所所報. 10. 43-47 (1999)
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[Publications] 荒屋真二、須崎健一、石田直樹: "VRMLによるバーチャル遊覧飛行システムの構築"情報処理学会九州支部研究会. 13. 1-8 (1999)
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[Publications] 篠原浩介、須崎健一、荒屋真二: "複写学習モデルによる重ね文字の認識実験"電気関係九州支部大会. 第52回. 536-536 (1999)