1998 Fiscal Year Annual Research Report
高次化学センサ情報処理用1ビットデジタルニューラルネット回路の研究
Project/Area Number |
09650440
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中本 高道 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20198261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉邑 昌義 東京工業大学, 工学部, 助手
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Keywords | オーバーサンプリング型A / D変換 / FPGA / LVQ / ASIC / ニューラルネットワーク / 水晶振動子匂いセンサ / 匂いセンシングシステム / 1ビット演算回路 |
Research Abstract |
本研究ではオーバーサンプリング方式でA/D変換された1ビット信号により、信号の伝送及び演算を行うニューラルネット回路を実現し、高次化学センサへ応用することを目的としている。昨年度は、基本演算回路及び水晶振動子匂いセンサと本回路のインタフェース回路を確立し、LVQ(Learning Vector Quantization)回路によるカテゴリー判別回路を試作した。本年度は、LVQ回路を実現する上で必要なWinner Take All回路の方式及び学習回路方式を検討し、VHDLの回路記述、シミュレーション、FPGAへの実装を行った。その結果、アセトン、ヘキサン、アンモニア等に対する半導体ガスセンサ応答パターンの識別に成功した。さらに異なる濃度の匂いに対しても匂い種類の識別ができるように、センサ応答規格化回路を設計し、シミュレーションにより良好に動作することを確認した。この回路は割り算を行わずに規格化を行うので、小規模な回路で実現できる。水晶振動子ガスセンサによる測定データを用いてシミュレーションした結果、濃度が異なっても応答パターンの比較的類似したエステル、ケトン等のパターン識別が可能であることがわかった。本件に関して、現在特許出願準備中である。 また、線形方程式の係数をLMSアルゴリズムにより推定する方法も昨年度提案したが、これは匂いが飛来する方向を探知する匂い源探知コンパスの信号処理に応用し、シミュレーションにより動作を確認した。現在、FPGAに実装して動作検証を行っている。また、1ビット要素演算回路をLSIチップ試作サービスを通じてASICとして実現し、良好に動作することを確認した。
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[Publications] T.Nakamoto and T.Moriizumi: "Developments and trends in QCM odor-sensing system," Abstract of 5th symposium on olfaction and electronic nose. IV-1.(1998)
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[Publications] 河村、中本、森泉: "1ビットデジタル演算方式を用いた匂いセンサ用学習・識別回路の研究" 電気学会化学センサシステム研究会. SSA-98-14. 5-10 (1998)
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[Publications] 勝部、中本、森泉: "1ビットデジタル演算方式を用いた匂いセンサ用測定・学習回路の研究(II)" 電気学会全国大会、1999. (発表予定). (1999)
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[Publications] 河村、中本、森泉: "匂いセンサ用マルチチャネル周波数の高速変化計測システムの研究" 電気学会全国大会、1999. (発表予定). (1999)
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[Publications] 石橋、河村、石田、中本、森泉: "1ビットデジタル演算ASICチップの試作と評価に関する研究" 電気学会全国大会、1999. (発表予定). (1999)
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[Publications] 柴崎、中本、森泉: "1ビット演算方式を用いた線形方程式の係数推定回路の設計" 電気学会全国大会、1999. (発表予定). (1999)
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[Publications] T.Nakamoto and T.Moriizumi: "Developments and trends in QCM odor sensing system" Seminars in food analysis. (accepted.). (1999)