1998 Fiscal Year Annual Research Report
外来情報と内在概念が相互作用する神経回路網モデルに関する研究
Project/Area Number |
09650465
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩田 彰 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10093098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒柳 奨 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10283475)
松尾 啓志 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (00219396)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 追加学習 / 階層構造 / ブロック構造 / パターン認識 |
Research Abstract |
本研究では人間の脳の持つ多様な情報処理能力を手本とした新しい記憶システムの構築を目指し、逐次追加学習の可能なパターン学習記憶、認識モデルを構築した。 本モデルは入力パターンの局所的な構造を認識するニューロンブロックを階層的に構築し、ボトムアップ処理によってこれら情報を統合、最終的な認識結果を得る。新たなパターンの記憶は外部からの記憶指令に基づいて各ブロックにおいて行われる。このため、記憶しているパターンとは一部だけ異なるような入力パターンを記憶する場合には入力パターンの異なる部位に対応したブロックのみを学習する事で、情報を圧縮して記憶する事が可能である。また入力パターンとして複数の外来情報を扱う場合にも、記憶しているパターンと異なる外来情報の部分のみを学習する事で記憶を完了する。本年度はこのパターン認識モデルの追加学習性能を計算機上のシミュレーションにはって検証した。まず、認識モデルに対してアルファベット26文字を模した、分散表現記号パターンを順次認識・学習させ、追加学習が可能である事、また新規パターンを記憶する際にブロック構造を有効に利用して既存のパターンとの差の情報のみを追加学習している事を確認した。また、「へん」と「つくり」から構成される漢字200字を模した分散表現記号パターンを用いた追加学習実験を行ない、これら文字を追加学習可能である事を確認するとともに、「へん」「つくり」に相当する2種類の情報の組合せに対して既存情報との差の情報のみを学習する事で効率の良い学習が可能である事が確認された。以上の結果については電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会(平成11年3月)において発表を行う。
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