1999 Fiscal Year Annual Research Report
逆問題を応用した磁気浮上制振制御系の実用的設計法に関する研究
Project/Area Number |
09650473
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 隆雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70029510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻野 太郎 福岡工業大学, 工学部, 助教授 (00227406)
|
Keywords | 最適制御 / 逆問題 / ILQ / 磁気浮上 / H_∞制御 / 周波数整形 / サーボ系 / オブザーバ |
Research Abstract |
昨年度の研究では「オブザーバの設計自由度を周波数整形に活用したILQ設計法」が磁気浮上系の制振制御に有効であることを明らかにした.本年度は,この設計法を中心に,逆問題的アプローチに基づくロバスト制御系設計法を,特に実用性に留意して開発した. まず、全次元オブザーバを利用した本設計法については,昨年度の研究で多変数最小位相系にまで拡張した周波数整形ILQコントローラの設計法を多変数非最小位相系にまで拡張した.これにより、本設計法がかなり広範囲の制御対象に適用でき,しかも設計パラメータの調整や計算量の点で特に実用性が高いことが明らかになった. さらに,設計ならびに制御系構成を容易にする意味から,全次元オブザーバの代わりに最小次元オブザーバを用いる設計法へもこれを拡張した.このような設計法は,昨年度すでに固有の磁気浮上系について求めていたが,本年度はこれを多変数最小位相系にまで拡張した.その結果,この設計法を「ロバスト制御系の段階的な設計(つまり,基準性能からロバスト性能を段階的に達成させる設計)」に用いた場合は,全次元オブザーバに基づく先の設計法よりもコントローラ全体の次元を減らせることが明らかになった.これにより,ノミナル安定性からロバスト安定性を段階的に達成することが可能な実用性の高いサーボ系設計法を確立することができた. このような設計法の一般化と並行して,従来のH_∞制御の磁気浮上制御への応用研究も進め,H_∞制御よりも手軽に周波数整形が行えるMcFarlaneと Gloverのループ整形法について,実用上重要な「制御器の低次元化」に関する研究を行った.具体的には,川谷らによる「低次元ループ整形コントローラの設計法」を本磁気浮上系の制振制御に適用し,重みの選定に工夫を凝らすことでループ整形法を直接適用した場合よりも9次少ないコントローラの設計に成功した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Taro Tsujino: "Application of H_∞ Control and Closed Loop Identification to a Magnetic Levitation System"Asian Journal of Contral. Vol.1,No.4. 283-296 (1999)
-
[Publications] 酒井 雅也: "ループ整形機能を有する ILQ ロバストサーボ系の解析的設計法"計測自動制御学会論文集. 36・4(掲載予定). (2000)