1998 Fiscal Year Annual Research Report
大規模複雑系に対するロバストオートチューニング制御系設計論の構築に関する研究
Project/Area Number |
09650475
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐伯 正美 広島大学, 工学部, 教授 (60144325)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 純壮 広島大学, 工学部, 助手 (20243595)
井村 順一 広島大学, 工学部, 助教授 (50252474)
|
Keywords | ロバスト制御 / 非線形制御 / 同定 / PID制御 / アンチウィンドアップ / オートチューニング |
Research Abstract |
化学プラントなどの安定性を評価したりPID制御器を設計したりする際に限界ゲインや限界周期は有用な情報を与える.その同定法として前年度に多変数系にも適用できる適応的な手法を提案した.本年度は計算機シミュレーションおよびこの科学研究費の補助金で平成9年度に作成した熱水位実験装置を用いて実験をおこなった.熱制御および水位制御の1入力1出力の実験をそれぞれおこない、従来のリレーを用いる方法と比較し、雑音に強いことが確認された.収束の遅さやパラメータの選定などは大きな課題である.また、多変数系の実験を引き続きおこなう予定である. H無限大制御問題を満たすPID制御器の最適ゲインを効率よく探索するために、新たに、問題を凸化し線形計画法を適用することで効率よく求める方法を提案し、有用性を検討した.この方法を多変数の分散制御系に適用する方法を引き続き検討する予定である.この方法は周波数応答による方法であるので、システムの次数が大きな大規模系に対しても計算量が増加することがない.自動的に解が求められるようになったので、今後、システム同定と設計を組み合わせた間接のオートチューニング法への展開を試みる. システムの保護のためにしばしば制御入力の大きさを抑制するために飽和要素が用いられるが、飽和時にシステムの応答に行き過ぎ量が生じるなど悪影響を与える.これは大規模系の挙動を複雑にするのでそれを防ぐような新たな補償が必要である.ロバスト安定性を補償する新たな設計法を検討し有効性を検証した.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 佐伯正美: "H_∞制御問題に対するPID制御器のパラメータ空間設計法" システム制御情報学会論文誌. 11・1. 35-40 (1998)
-
[Publications] Masami Saeki: "A new adaptive-idinetification method of critical lege gain for muitl-input muiti-output plants" Proc.on the 37 th IEEE Conf,on Dec,and Cevt. 3984-3989 (1998)
-
[Publications] 井村順一: "解の凸結合によるハミルトン・ヤコビ不等式の近似解の改良法" 計測自動制御学会論文集. 34・8. 1070-1077 (1998)
-
[Publications] Jynso Kimura: "A Parallil Suppnrting dampn mith tendon and cmtral systems for blenille lec" Prol.of the 4 th Japan-France Canyuss. 77-80 (1998)