1999 Fiscal Year Annual Research Report
大規模複雑系に対するロバストオートチューニング制御系設計論の構築に関する研究
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09650475
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐伯 正美 広島大学, 工学部, 教授 (60144325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 純壮 広島大学, 工学部, 助手 (20243595)
井村 順一 広島大学, 工学部, 助教授 (50252474)
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Keywords | ロバスト制御 / 非線形制御 / PID制御 / アンチワインドアップ / 固定 |
Research Abstract |
本研究は、大きく3つの観点から行った. 1.PID制御器のクラスでH_∞制御問題の最適解の線形計画法による高速求解法を与えた.これにより、設計者の負担を減らし効率的に解を求めることができ、さらに、パラメータ数が3つ以上の場合についても解を求められるようになった.分散制御系の制御系設計に拡張することが今後の課題である. 2.非線形性は制御対象の複雑性の原因のひとつであり、それを軽減する立場から設計理論と実システムへの応用を検討した.ひとつは、入力飽和非線形による特性劣化を防ぐAnti-Windup制御系の設計法を与えた.ロバスト安定性が保証され、制御器の構造も簡単であり、分散制御系にも問題なく適用できる実用的な設計法である.もうひとつは、滑らかな非線形性を補償する2ステップ線形化による飛行制御系を設計し、実験を通して有効性を確認した.最後は、次数の高い柔軟なビームの振動を受動的に抑制する動吸振器と能動的にモーターで抑制する制御器を融合した新しい制御構造を与え、ロバスト制御理論で設計した. 3.大規模複雑な系のひとつとして、最近注目を集めている線形時不変なサブシステムが動的に結合されるハイブリッドシステムを取り上げ、解析の基礎として、解の連続性条件とWell-Posed条件を導出した.この結果を基礎に設計問題へと展開することが今後の課題である.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Masami Saeki: "Optimization of PID controller for H_∞ control by linear programming"International Journal of Robust and Nonlinear Control. (掲載予定). (2000)
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[Publications] 佐伯正美: "飽和時の応答を考慮したアンチワインドアップ制御器の設計"計測自動制御学会論文集. 35・6. 754-761 (1999)
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[Publications] 和田信敬: "ロバスト安定性を考慮したAnti-Windup補償器の設計"電気学会論文誌C. 119-C・6. 734-739 (1999)
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[Publications] 和田信敬: "ロバスト安定性を保証する静的Anti-Windup補償器の設計"システム制御情報学会論文誌. 12・11. 664-670 (1999)
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[Publications] Jynso Kimura: "Proposal of a parallel supporting damper with tendon and robust control system design"Proc. of the 1999 IEEE International Conference on Control applications. 1412-1417 (1999)
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[Publications] Masami Saeki: "Flight control design and experiment of a twin rotor helicopter model via 2 step exact linearization"Proc.of the 1999 IEEE International Conference on Control Applications. 146-151 (1999)
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[Publications] Junichi Imura: "Well-posedness of a class of piecewise linear systems with no jumps"Hybrids systems:Computation and Control. 1569. 123-136 (1999)
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[Publications] Junichi Imura: "Well-posedness of a class of dynamically interconnected systems"Proc.of the 38th Conference on Decision and Control. 3031-3036 (1999)