1997 Fiscal Year Annual Research Report
分散性媒質中の非線形集束音場の解析とその計測への応用
Project/Area Number |
09650487
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
斎藤 繁実 東海大学, 海洋学部, 教授 (50091690)
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Keywords | 超音波 / 非線形音響 / 超音波顕微鏡 / 第2高調波 / 分散性 / 非線形パラメータ / 有限振幅法 / ガウス音源 |
Research Abstract |
本研究者はこれまて、有限振幅音波の伝搬に伴う非線形ひずみの性質を積極的に利用して、微小体積試料を透過する集束音波の第2高調波成分を観測し、試料の非線形パラメータB/Aの値を測定する方法を提案したが、そこでは簡単のため、試料に存在し得る速度分散の影響を無視していた。多くの液体試料が速度分散性を示す高周波域での適用を目指し、集束超音波における分散性の影響を、回折効果との競合の効果も含めて解析し、B/A測定法を開発するのが本研究の目的である。本年度は、集束超音波を用いた非線形パラメータB/Aの測定への分散性の影響を理論と実験により調べている。Kho khlov-Z ab ol ot skaya-K uz ne tso v方程式から導出される近似方程式で便宜的方法により分散性を考慮し、数値計算により、試料後方での第2高調波成分の振幅・位相への分散性の影響を解析している。集束前・後の領域で発生した第2高調波成分の相殺効果の低下のため、第2高調波の振幅が大きく観測され、分散性液体ではB/A値が過大評価される。分散性材料の一例として用いた種々の混合比の水-油混合液に対するB/A測定によりこの予測を確認している。同じ集束系により基本波と第2高調波周波数での音速差を測定する方法、測定値の修正法も明らかにしている。水-油混合液のB/A測定値を修正すると、非混合液体に対する混合則を満たし、測定法の妥当性が示された。今年度は、さらに、理論的解析結果を実験的に検証するための高周波での実験装置として、理論的、実験的取り扱いが便利な20MHzガウス音源を試作している。
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