1997 Fiscal Year Annual Research Report
生体情報計測マイクロシステムのための集積化技術およびパッケージング技術の研究
Project/Area Number |
09650491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
庄子 習一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00171017)
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Keywords | 生体情報計測 / マイクロシステム / マイクロパッケージング / 低温接合技術 / 電気的フィードスルー / マイクロポーラスシリコン / 陽極化成 / 選択メッキ |
Research Abstract |
健康管理と病気予防を目的とした非拘束小型生体情報計測マイクロシステムの実現を目指して,センサと回路からなるシステムの集積化とパッケージングに必要なマイクロマシ-ニング技術について基礎研究を行った。 基板間低温接合については希釈フッ酸を用いたガラス同士,酸化膜を介したシリコン同士の接合が室温で行える新しい接合技術について接合条件とメカニズムについて研究を行った。接合強度には接合時に印加する圧力の影響が大きく,1.3Mpa以上の場合は陽極接合とほぼ同じ接合強度が得られることがわかった。また,希釈フッ酸濃度も接合強度に影響し,0.1%程度でも接合は可能であるが,再現性を得るには0.5%以上を用いる必要がある。さらに,希釈水酸化カリウム水溶液を用いても接合が起こることが確認された。接合界面のTEM観察から,接合されたSiO_2-SiO_2界面には中間層が形成されており,その厚さは接合時の印加圧力に依存することがわかった。これまでの結果から,接合はSiO_2表面が化学的に溶解し,溶解したSiO_2がガラス状に固まり中間層を形成すると推定される。今後,中間層を他の方法でも分析することにより,接合のメカニズムを解析するとともにパッケージング技術としても応用を検討する予定である。 気密封止パッケージされたマイクロシステムから外部に信号を取り出すには電気的なフィードスルーが必要である。このため,シリコン基板に高アスペクト比の貫通穴を空ける方法として,マクロポーラスシリコン形成技術の研究を行った。この方法は電気化学的なプロセスであり,やはり希釈フッ酸を用いる。フッ酸濃度や印加電流,電極構造について検討し,7μm経で深さ約100μmの貫通穴を形成することが可能となった。現在,この貫通穴に無電解メッキで金属配線を形成する技術について研究を行っている。
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[Publications] 池, 半田, 庄子: "生体情報計測システム用カスタムICの基礎研究" 電気学会E部門総合研究会資料. MM-97. 23-28 (1997)
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[Publications] H.Nakanishi, R.Nakamura, S.Shoji,et.al: "Studies on SiO_2-SiO_2 Bonding with Hydrofluoric Acid" 11^<th> IEEE Micro Electro Mechanical Systems Workshop. 609-614 (1998)
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[Publications] 和田,庄子: "電気的フィードスルー形成のためのマクロポーラスシリコンを用いた深穴加工の基礎研究" 電気学会全国大会. (発表予定). (1998)