1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650493
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
平井 一正 甲南大学, 理学部, 教授 (30031058)
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Keywords | カオス / 創発システム / マルチエージェントシステム / 適応安定化 / 複合システム |
Research Abstract |
1.カオス結合系の非線形現象 カオスを発生するサブシステムをリング状または総当たり状に結合したシステムにおいて、その結合係数、非線形の強さ、初期値などを変化したときに、カオス安定化、周期解、カオス同期、カオス転移など種々な現象が発生することを明らかにした。これらの現象は新しい秩序の形成とみなされ、創発機能形成の研究の解明につながると考えられる。 2.適応安定化機構 たとえばあるサブシステムを、新しい平衡点で安定化させるという問題に対して、カオス結合系のカオス転移の現象を利用するとそれが可能であるということを明らかにした。サブシステムが自己の状態を観測できる場合は、自律的な機構で自己結合の強さや非線形の強さを変え、もし自己の状態が観測出来ない場合は、他律的な制御でそれが可能であることを明らかにし、シミュレーションで確かめた。この問題は、環境変化などによって、生物があたらしい環境に適応する状態のシミュレーションにも適応が可能であり、多くの示唆をあたえるものである。 3.マルチエージェントシステムの構築 各エージェントが限られた情報にもとづき、全体システムの調和をはかるマルチエージェントシステムを、本カオス結合系で構築が可能であることを明らかにし、実際に協調型、均衡型システムの振る舞いが、本カオス結合系で見られた。この研究からカオスの情報処理機能への応用も考えることができる。
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Research Products
(1 results)