PCコンファインド工法によるASR損傷鉄筋コンクリート橋脚の補強に関する研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09650504
• Research Institution: Kanazawa University
• Principal Investigator: 鳥居 和之 金沢大学, 工学部, 教授 (50115250)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 川村 満紀 金沢大学, 工学部, 教授 (20019730)
• Keywords: ASR / PCコンファインド工法 / ひび割れ / 耐震補強 / 補修・補強 / 劣化機構 / 変形性能

Research Abstract

ASR損傷コンクリート橋脚の補修・補強対策を確立する目的で、PC鋼材巻き立て工法により補強したコンクリート柱試験体を使用して、圧縮載荷試験および交番載荷試験を実施した。
ASR損傷コンクリート試験体のPC鋼材巻き立て工法による補強効果に関して得られた成果は次のようである。
ASR損傷コンクリート試験体の圧縮載荷試験の結果より、(1)PC鋼材によりプレストレスを与えると、ASRひび割れの進展が抑制される、(2)PC鋼材がコンクリート軸方向応力と軸方向歪みの関係に与える影響はASRによる損傷を受けたコンクリートに対しても受けていない健全なコンクリートと同様である。(3)PC鋼材で巻き立てることにより、圧縮載荷時のコンクリートの強度および靭性を大きく改善できる、ことが確認できた。
ASR損傷コンクリート試験体の交番載荷試験の結果より、(4)ASR損傷試験体ではかぶりコンクリートのひび割れと鉄筋の歪みの影響で、交番載荷の繰り返しにより試験体基部の鉄筋の破断が生じやすくなる、(5)PC鋼材で巻き立てることにより、ASR損傷試験対の耐荷力および変形性能をASR損傷を受けていない試験体と同程度まで改善できる、ことが確認できた。

Research Products

• [Publications] 鳥居和之、奥田由法、松田康孝、川村満紀: "凍結防止剤の影響を受けたASR損傷橋脚の調査" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.20,No.1. 173-178 (1998)
• [Publications] 奥田由法、石井浩司、鳥居和之、松田康孝: "ASR損傷コンクリート橋脚の補修・補強に関する研究" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.20,No.1. 371-376 (1998)
• [Publications] Torii,K.Okuda,Y.Ishii,K.Kubo,K.: "Strengthening Method with Prestressing Steel Wires for ASR-damaged Reinforced Concrete Columns" Proc.of the 2nd Inter.RILEM/CSIRO/ACRA Conf.on Rehabilitation of Structures,Melbourne,. 38-47 (1998)