1997 Fiscal Year Annual Research Report
高強度コンクリートの自己収縮応力に及ぼすクリープの影響の評価法に関する研究
Project/Area Number |
09650506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森本 博昭 岐阜大学, 工学部, 教授 (30021629)
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Keywords | 高強度コンクリート / 圧縮クリープ / 引張クリープ / 若材齢 / 自己収縮 |
Research Abstract |
水セメント比25%、材齢28日の圧縮強度80〜90N/mm^2の高強度コンクリートの圧縮と引張の若材齢時のクリープ試験を実施した。クリープ試験と平行して、同じ環境下における自己収縮試験も行った。クリープ試験はレーバー式の試験機を用い、載荷材齢は3日とした。載荷時のコンクリートの圧縮強度、引張強度および圧縮弾性係数はそれぞれ42〜49N/mm^2、3.8〜4.2N/mm^2および30〜32KN/mm^2であった。試験は、圧縮と引張の載荷応力比を同一とした場合(応力比7%)、双方の載荷応力を同一とした場合(0.9N/mm^2)および応力、応力比がともに異なる場合の計3ケースについて実施した。自己収縮試験は材齢1日から実施した。各試験実施にあたっては、供試体の表面を金属スプレーおよびアルミシールで封かん処理を行い、供試体からの水分逸散を防止した。供試体のひずみは埋め込み式のひずみゲージにより測定した。実験により次のような新しい知見が得られた。 (1)載荷応力比が30%以下の、比較的低載荷応力レベルでは圧縮と引張クリープは、応力比および応力の大きさの如何にかかわらず両者はほぼ同様の性状を示す。従来の、普通強度のコンクリートを対象とした研究では引張クリープは圧縮クリープにくらべてかなり小さいことが指摘されており、この意味で本研究で得られた結果は、クリープのメカニズムを解明する上でも注目される。 (2)圧縮、引張クリープは、いずれも載荷応力比が30%以下の領域では載荷応力に関する線形則がほぼ成立する。 (3)高強度コンクリートの自己収縮は、材齢初期の段階から発生する。特に、材齢7までは急速に進行し約70μの自己収縮が発生する。材齢7以降も引き続き進行し、材齢60日で120〜150μに達する。
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Research Products
(1 results)