1997 Fiscal Year Annual Research Report
飽水状態のモルタルの透気特性と空隙構造の関係に関する研究
Project/Area Number |
09650510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
氏家 勲 愛媛大学, 工学部, 講師 (90143669)
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Keywords | 含水状態 / 透気性 / 空隙構造 / モルタル |
Research Abstract |
本研究は飽水状態のモルタルの透気特性と空隙構造の関係を明らかにすることを目的にしており,本年度得られた知見をまとめると以下の通りである. 1.飽水状態のモルタルにおいて,透気が観察される最小の圧力(透気開始圧)は水セメント比が小さくなるにつれて大きくなる.また,透気開始圧は水銀圧入法によって測定された細孔径分布から得られるしきい細孔径と良い相関関係にある.なお,本実験で得られた透気開始圧としきい細孔径の関係は理論的に得られる関係よりほぼ平行移動した関係となっており,試験条件の影響などについて検討する必要がある. 2.水銀圧入法による細孔径分布の測定において,凍結した試料を用いることにより,細孔径の連続性の良い場合には水分を含んだ状態での細孔径分布を測定することができた.その結果,乾燥状態のモルタルでは水分は大きな細孔から順に蒸発するのではなく,ほぼほとんどの大きさの細孔から蒸発し,蒸発する割合は各細孔径の量にほぼ比例する. 3.透気係数と空隙率の関係から計算された平均細孔径は水銀圧入法による細孔径分布から求めたものよりやや過小評価する結果となったが,透気係数により水分の影響を含んだ空隙構造を評価できると考えられる. これらの結果をふまえて,次年度はモルタルの使用材料や材齢を変化させた場合や比較のためにセメント系硬化体以外の材料を用いて実験を実施し,データを蓄積し,本年度得られたモルタルの透気特性と空隙構造の関係の信頼性を高めるとともに,透気性による空隙構造の評価方法を確立する予定である.
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