1998 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯、温帯および寒冷地域の海洋環境下に暴露したコンクリートの耐久性に関する研究
Project/Area Number |
09650514
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
迫田 恵三 東海大学, 海洋学部, 教授 (50056230)
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Keywords | 海洋環境 / 圧縮強度 / 塩分含有量 / 鉄筋の腐食 / 中性化深さ / 耐久性 |
Research Abstract |
亜熱帯の西表、温帯の清水及び寒冷地域の古平の海洋環境下に1年間暴露したコンクリート供試体を回収し、単位容積質量、動弾性係数、超音波伝播速度、圧縮強度、静弾性係数、中性化深さ、自然電位、塩分含有量及び鉄筋の腐食量測定を行った。その結果、以下の知見が得られた。 単位容積質量は暴露前の単位容積質量と比較した場合、水セメント比が大きくなるにつれ、単位容積質量比は小さくなり、暴露環境では亜熱帯に暴露した方が、他の地域より小さくなる傾向を示した。動弾性係数は暴露前と比較すると、亜熱帯に暴露した方が小さくなる。特に水セメント比が70%で顕著である。 圧縮強度は水セメント比が30,50%の場合、暴露環境による差異は見られないが、70%では寒冷,温帯,亜熱帯の順で強度が大きくなった。平均気温が高く、降雨量の多い地域の強度が低くなることが分かった。中性化深さは水セメント比が大きくなるにつれ大きくなる傾向を示し、暴露地域では寒冷地域が積雪のために他の地域より小さくなった。コンクリート中の塩素量は海上大気中に暴露した場合、表層部で0.1%以下を示したが、海中に暴露した場合、0.2〜0.58%の塩素イオン量が得られた。自然電位は海中暴露した場合、一例を除いて-350mvより卑となったが、海上大気中では水セメント比70%のみ-350mvより卑となった。鉄筋腐食は海上大気中に暴露した場合、水セメント比70%で腐食が見られた。これに対し、海中に暴露した場合、水セメント比30%では腐食が少なく、水セメント比が50%,70%と大きくなるにつれ、腐食量も大きくなる傾向が見られた
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 竹田宣典他: "粗骨材の吸水率がコンクリートの透気性に及ぼす影響" 土木学会第53回年次講演会(平成10年10月). 158-159 (1998)
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[Publications] 竹田宣典他: "Durability of Concrete Containing High Absorption Aggregate Under Marine Environment" Proceeding of the Second International Conference on Concrete Under Sever Conditions. Vol.3. 2103-2112 (1998)
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[Publications] 竹田宣典他: "種々の海洋環境条件におけるコンクリートの塩分浸透と鉄筋腐食に関する実験的研究" 土木学会論文集,No.599,/v-40. 91-104 (1998)