1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート破壊進行領域の時間依存性挙動の解析と数値解析モデルの構成
Project/Area Number |
09650516
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
山ノ内 正司 福島工業高等専門学校, 建設環境工学科, 助教授 (80132570)
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Keywords | コンクリート / 破壊進行領域 / アコースティック・エミッション / 引張軟化則 / フラクタル次元 / AEエネルギー |
Research Abstract |
中央にノッチを入れたコンクリートばり(水セメント比60%、最大粗骨材寸法20mm、寸法200mm×100mm×900mm)を作成し、破壊進行領域における微視破壊の時間発展的な成長過程を解析するために、荷重一定条件の下で3点曲げ試験を行い、8チャンネルによるAE波形を計測した。3次元AE位置標定結果からAE発生源分布のフラクタル次元Dを求めた。 肩口開口変位の時間変化は、いずれの荷重レベルにおいても、ある限界点を境に変位速度が一定の定常状態から加速的な状態へと遷移する。初期載荷において、定常状態ではAE源は空間的に偏りなく分布しているが(D=1.85)、限界点を過ぎると特に高エネルギーのAEが破壊進行領域先端部に集中し始め、いくつかのクラスターを形成する。このときのAE発生源のフラクタル次元はD=0.92で、AE発生源が破壊進行領域先端部で線状の分布構造になることがわかった。一方、破壊進行領域の長さが十分に長い(約12cm)状態においては、定常状態では破壊進行領域の後方に高エネルギーのAEを中心にクラスターが形成されているが(D=1.63)、限界点後では初期載荷と同様に破壊進行領域先端部に高エネルギーのAEが集中する。 以上より、限界点以降の微視破壊の時間発展的な成長過程は、破壊進行領域先端部に高エネルギーのAEが集中する不安定破壊の核形成過程であり、引張軟化則の初期状態と深く関っていることがわかった。また、限界点を表す状態量と微視破壊の関係を明らかにすることが今後の課題として残った。
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Research Products
(2 results)