1997 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギ解放率破壊基準による複数き裂の進展挙動に関する研究
Project/Area Number |
09650517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
阿部 孝弘 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (10132599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢富 盟祥 金沢大学, 工学部・土木建設工学科, 教授 (90135541)
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Keywords | 破壊力学 / エネルギ解放率 / E積分 / き裂干渉 / 複数き裂 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究では,材料内に複数のき裂が存在する場合における,き裂の進展挙動を把握するための基礎的研究と位置づけて,一様引張を受ける均質な等方線形弾性体中にある複数き裂の進展挙動を,材料の破壊靭性値の等方性を仮定し,き裂の進展はエネルギ解放率による破壊規準に従うものとして解放を行った.エネルギ解放率はE積分による有限要素解析によって求めた.E積分は準静的なき裂進展である限り,非線形,非均質の物質であっても,また,非直線的なき裂進展であっても,全く任意の積分経路で理論上エネルギ解放率を求めることができるため,本研究のように複数き裂の進展挙動を解析するには非常に有効な手法である. まず,E積分を複数き裂の問題に適用することの妥当性を検討するために,解析解のわかっている,無限板中に長さの等しい2本のき裂がある場合の解析を行った.その結果,き裂長さが短い場合には,き裂長さに対するき裂進展長さが大きくなるため,無限板解析解とE積分による有限要素解析値には多少の差を生じるが,き裂長さがある程度長い場合は両者はよく一致した. そこで次に,解析モデルとして,有限長帯板中央に片側き裂(以後主き裂と呼ぶ)があり,その先端近傍に主き裂と平行で主き裂より長さの短い他のき裂(以後干渉き裂と呼ぶ)がある場合を想定し,干渉き裂の長さおよび位置を変えた場合の解析を行った.その結果,主き裂と干渉き裂のき裂面に垂直方向の間隔が小さく,き裂面方向の位置が重なって存在する場合には,干渉き裂の存在によって主き裂の進展は抑制され,主き裂が進展せずに干渉き裂先端に飛び移り進展する場合があることがわかった.
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Research Products
(1 results)