1997 Fiscal Year Annual Research Report
RCおよびPC製構造部材のCFSTによるエネルギー吸収能の向上と評価方法の確立
Project/Area Number |
09650520
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
前川 幸次 金沢大学, 工学部, 教授 (00124024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ママガニ イラジ.H.P 金沢大学, 工学部, 助手 (90283100)
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Keywords | コンクリート充填鋼管 / エネルギー吸収能 / コンクリートダウエル / 複合はり |
Research Abstract |
1.孔あき鋼管とコンクリートの付着せん断試験 コンクリート充填鋼管(CFST)をRC製曲げ部材の圧縮側補強材とすることにより,変形能,すなわちエネルギー吸収能を向上させることができる。その際に鋼管とコンクリートの付着強度の確保が問題となるため,鋼管に複数の孔をあけるてコンクリートダウエルを形成させる方法を用いた。その強度を明らかにするために,コンクリートブロックに埋め込んだ有孔CFSTの押し抜き試験を行った。実験供試体のパラメータは,鋼管形状(円形・角形),鋼管寸法,および孔径である。研究対象がプレキャスト部材であることから,コンクリートの設計圧縮強度は50 MPaを用いた。得られた結果は次のようである。 (1)コンクリートと鋼管の付着力強度はばらつきが大きく,普通丸鋼の場合の1/10〜1/7程度である。 (2)コンクリートダウエルによる付着強度への寄与は,ダウエルのせん断単位面積当たり0.6fcで評価できる。fcはコンクリートの圧縮強度であり,0.6は暫定値である。 (3)汎用コードMARCによる解析に有効CFSTの付着特性を取り入れるための手法(付着要素のモデル化)を確認できた。 2.CFST複合はりの静的載荷試験 圧縮補強材として有孔CFSTを用いた鋼管・コンクリート複合はりの曲げ試験を行った。補強材量と曲げ耐荷力を同程度に設計した通常のRCはりと比較することにより変形能に対するCFSTの効果を検討した。実験に用いた有孔CFST複合はりの変形能(エネルギー吸収能)はRCはりの2倍に達することがわかった。ただし,エネルギー吸収能の定量的な推定方法については検討中である。
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[Publications] Koji,MAEGAWA: "Ductility of Steel Tube Reinforced Concrete Composite Beams" IABSE Conference Report"Composite Construction". 807-812 (1997)
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[Publications] 前川幸次: "孔あきコンクリート充填鋼管の付着に関する研究" 土木学会中部支部平成9年度研究発表会講演概要集. 35-36 (1998)
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[Publications] 上村浩茂: "コンクリート充填鋼管連続ばりの載荷実験とロックシェッド設計への応用" 構造工学論文集. Vol.44A. (1998)