硬質ウレタン添加鋼床版における衝撃応答と放射音に関する研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09650522
• Research Institution: Yamanashi University
• Principal Investigator: 岡村 美好 山梨大学, 工学部, 助手 (50162889)
• Keywords: 薄肉鋼構造 / 硬質ウレタン / 複合構造 / 制振効果 / 衝撃応答 / 放射音

Research Abstract

本年度は,昨年度の研究で得られた鋼・硬質ウレタン複合部材の局部振動特性および制振効果に関する基礎データを踏まえて,鋼・硬質ウレタン複合部材を低振動・低騒音化手法として実用化するための各種検討を行った。
鋼・硬質ウレタン複合平板について,有限帯板法と有限プリズム法を併用した離散化モデルを用いて,固有振動解析および定常応答解析を行って振動の低減効果の検討を行った。さらに,複合板表面の振動速度のパワーを求めることにより放射音の低減効果についても検討した。また,移動荷重が作用する硬質ウレタン充填鋼箱桁についても動的応答解析を行い,硬質ウレタンとの複合化が応答倍率に与える影響について検討した。これらの研究によって得られた成果の概要は以下の通りである。
1. 鋼・硬質ウレタン複合平板の鋼板表面における振動速度および放射音の低減効果は,高次モードよりも低次モードで大きくなる。硬質ウレタン表面における振動速度および放射音の低減効果は,低次モードでは鋼板表面とほぼ一致するが,高次になると鋼板表面との差が大きくなり硬質ウレタンの変形が卓越するモードの存在によって低減効果はより顕著になる。
2. 鋼箱桁に硬質ウレタンを充填することにより,移動荷重によって生じる局部たわみ量は鋼箱桁の約1/3〜1/10に低減される。また,局部振動に支配される高周波領域での位相速度は硬質ウレタンとの複合化によって大きくなり,通常の車両速度の範囲における最大応答倍率の増大は抑制される。

Research Products

• [Publications] 岡村美好,深澤泰晴: "鋼・硬質ウレタン複合部材の局部振動特性" 応用力学論文集. Vol.1. 345-353 (1998)
• [Publications] 岡村美好,深澤泰晴: "鋼・硬質ウレタン複合板における振動・放射音の低減特性" 構造工学論文集. Vol.45A. (1999)
• [Publications] 岡村美好,深澤泰晴: "移動荷重による鋼箱桁の局部振動について" 第26回土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. (1999)