1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650554
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石橋 孝治 佐賀大学, 理工学部, 教授 (80137695)
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Keywords | 原位置試験 / 岩盤 / 三軸圧縮試験 / 試験装置 / せん断強度 / 内部摩察角 / 試験方法 / 採石場 |
Research Abstract |
根付き円柱試験片を利用する簡易岩盤三軸圧縮試験法(Compact Triaxial Compression Test)に関し,本年度は佐賀県多久市東多久石原の(株)タニグチ両子山採石工場内の採石跡地で本試験法の原位置岩盤への適用実験を実施した。一帯の岩盤は安山岩と流紋岩から成っており,実験は安山岩部(岩石の圧縮強度:192MPa)で実施した。コア抜き機を利用して原位置岩盤にφ10×25cmの円柱を切り残し根付き試験片を造出した後,周囲の岩盤を円筒状に注意深く排除した。根付き試験片にゴムスリーブをかぶせM24のアンカーボトルを所定の位置に溶接した耐圧補強鋼管をその外側に挿入し,無収縮モルタルを打設して平坦な載荷面に整形・復旧した。プロトタイプ型の三軸圧縮試験用ピストンキャップをアンカーボトルで接着し,簡易岩盤三軸圧縮試験を実施した。周圧は圧力変換器を利用して窒素ガス圧を水圧に変換して試験片に与えた。軸力は鉱山重機(自重80トン)に反力をとり,手動油圧ジャッキを利用して行った。周圧,軸力および変位は,データロガーを介してパソコンで集録した。本年度の原位置試験から明かとなった事柄と改善点を以下に列挙する。 (1) 原位置での実験から提案している簡易岩盤三軸圧縮試験の作業手順に問題が無いことが確認された。しかしながら,水溶性コーキング材のシール効果は低く,シール材の変更の必要性が指摘された。 (2) 今回の実験では重機の反力不足のため1本の試験片しか破壊せず,力学的パラメータの妥当性を検証するまでに至らなかった。しかしながら,計測された差応力〜ひずみ曲線は試験中の試験片の応答を明確に捉えており,試験システムの有効性は確認された。 新たに派生した問題点を解消する対策を講じて,平成11年度に再度原位置試験の実施を計画している。
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