コーン貫入型比抵抗測定装置による地盤汚染域検出技術の開発

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09650556
• Research Institution: Tokai University
• Principal Investigator: 福江 正治 東海大学, 海洋学部, 教授 (40119699)
• Keywords: 原位置試験 / 地盤汚染 / 比抵抗 / コーン / サウンディング

Research Abstract

地盤汚染域や土層判別のために開発した電導コーンによる測定値の信頼性を調べるために,富士市浮島ヶ原で原位置実験を行った。また,比抵抗と土の種類の関係を調べるために,現地の地層をボーリング調査によって得た。この柱状試料について土粒子密度試験,強熱減量試験,一軸圧縮試験,粒度試験などの土質試験を行った。なお,原位置コーン貫入実験にあたっては,主として次のことを調べることを目的とした。
1. 測定値の信頼性(これまでの調査では,測定値の違いが測定誤差かそれとも土の種類が異なるのか,明確ではなかった)
2. 土層判別の精度(土の種類によって比抵抗が変わることははっきりしているが,定量的な問題が残っている)
1.に関しては,ボーリング調査地点を中心として十字方向に40cm離して電導コーンの貫入試験を行った。その結果,4点における比抵抗の深さ分布は極めてよく一致し,地層が同じであれば,同一の比抵抗が得られることが判明した。すなわち,測定値の信頼性が得られた。また,土のタイプ(砂質・粘性土)によって,比抵抗が大きく異なり,これまでの結果と同様,比抵抗から土層判別が可能であるとの結論はたが,定量的な判別精度については今後検討しなければならない。
これとは別に,地盤の油汚染域の検出を目的とした室内実験を行った。硅砂に濃度を変えて軽油を混ぜ,その比抵抗を測定したところ,軽油含有量に比例して比抵抗が増大することが分かった。また,その増大率は土の含水比に関係することが分かった。今回の結果では,含水比が低いほど,比抵抗に対する油含有率の影響が大きいことが分かった。

Research Products

• [Publications] 福江正治ほか: "Development of resistivity cone for monitoring contaminated and non-contominated soil layers" Environmental Geotechnics. vol.2. 575-580 (1998)
• [Publications] 福江正治ほか: "電導コーンの開発とその応用" 土木学会論文集. 596/III-43. 283-294 (1998)
• [Publications] 松本 基ほか: "電導コーンによる地盤比抵抗の測定" 第33回地盤工学研究発表会講演集. 2分冊の1. 7-8 (1998)
• [Publications] 福江正治ほか: "電解質濃度が電導コーンによる地盤比抵抗に与える影響" 第33回地盤工学研究発表会講演集. 2分冊の1. 9-10 (1998)
• [Publications] 福江正治ほか: "粘土の微視的構造と比抵抗の関係" 第33回地盤工学研究発表会講演集. 2分冊の1. 385-386 (1998)
• [Publications] 福江正治ほか: "粘土の圧密中における比抵抗変化" 第33回地盤工学研究発表会講演集. 2分冊の1. 383-384 (1998)