2000 Fiscal Year Annual Research Report
岩石の時間依存変形挙動とクリープ破壊時間の予測方法について
Project/Area Number |
09650557
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Research Institution | Toyota College of Technology |
Principal Investigator |
赤木 知之 豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90006685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 孝 豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (50193496)
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Keywords | 岩石 / クリープ曲線 / クリープ破壊 / 長期強度 |
Research Abstract |
岩石の時間依存性破壊を考える場合に、二つの問題点が存在する。一つは応力を受けている岩石が将来破壊するかどうか、もう一つは破壊するならばそれはいつ頃かということである。本研究では、この二つの問題点を明らかにするべく、堆積軟岩の一種である大谷石を用いたクリープ試験を50本以上行った。試験結果から時間と軸ひずみおよびひずみ速度、最小ひずみ速度と破壊時間、破壊時間と応力比などの関係を整理した。その結果、クリープ過程における最小ひずみ速度(εmin)と破壊時間(t_f)の間に反比例の関係が成立することが確認され、大谷石については次式で表されるものと結論付けた。 εmin・t_f=1.8×10^<-3>(%) 将来クリープ破壊が予想される地盤・岩盤の変形挙動を経時的に勧測し、その変形速度を抽出して最小ひずみ速度を判定することができればこの式により、その時点で破壊時間を予測することができる。しかし、クリープ特性は材料の僅かな違いにより大きく変動するもので、上式を適用したとしても個々のケースで予測個が大きくバラツクことも確認された。 そこで、個々のケース毎にそのクリープ挙動を観察しながら、破壊時間を予測する方法について考察を進めた。一つは、国鉄技研の斉藤が鉄道斜面の地滑り発生時間を予測した方法を適用してみたが、破壊時間間際では精度良く予測できるが、予測時期を早くして行くと精度が悪くなることが分かった。もう一つは、クリープ破壊曲線を次式のような関数で近似して、そのパラメータをクリープ過程の刻々のひずみ値から決めて行く方法である。 ((t_f)/t)^P-((ε_1)/ε)^n=1 この方法はパラメータの決定に難があるが、早い段階で予測することが可能であり、種々パラメトリックスタデイした結果、他の手法と組み合わせることによって有効な手法であるとの結論を得ることができた。また、クリープ試験中のAE発生状況も観測を行っており、そのデータより、一次クリープ段階終了後のAE発生の有無により、将来的な破壊の可能性の判定が可能ではないかという結論を得ることができた。
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Research Products
(1 results)