1999 Fiscal Year Annual Research Report
大都市圏地価データベースに基づく地価の時空間変動メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
09650578
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安藤 朝夫 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80159524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 則彦 東京国際大学, 商学部, 講師 (60250859)
文 世一 京都大学, 大学院・経済研究科, 助教授 (40192736)
佐々木 公明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10007148)
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Keywords | 公示地価 / 地価データベース / 拡散モデル / 時空間自己相関 / 世代重複モデル / 空間近接行列 |
Research Abstract |
本研究は,大都市圏における地価形成機構を理論・実証の両面から多角的に明らかにすることを目的としている。実証面での重点の一つは,地価の時空間的変動がバブル崩壊局面でも拡散方程式に従うことを確かめることにあった。分析に際して,東京圏の地価データベースを1995年国勢調査報告による従業者数を用いて改訂の予定であったが,通勤・通学編の刊行遅れにより引き続き推定値に基づくデータベースを使用した。その意味で結果は暫定的なものであるが,1976〜96年の21年間にわたる地価データベースに対して拡散方程式を適用した結果は現象再現性が高く,1次元・2次元モデル共にパラメータ値も1991年までの地価上昇局面のデータのみに基づく結果とほぼ同じ値を示す等,モデルの安定性が検証された。この結果については,国際地域学会第46回北米大会において発表した。また時空間自己相関分析に関しては,行政区内と行政区間の形式的な接続関係に基づく2階層空間自己相関モデルを,川崎市の地価データに適用した結果を日本不動産学会誌に投稿中である。一方,本来予定していた地価データベース全体に対して時空間自己相関モデルを適用する分析に関しては,地価データベースの改訂が可能になるまで計算を見合わせているが,既に空間接続行列の作成方法も決まっており,来年度早々に引き続き実施の予定である。本年度は研究最終年度に当たるため報告書を作成中であるが,それには上の内容の他,時空間自己相関モデルに関する推定と検定に関する議論,及び都市の動学分析に関する理論モデルとして世代重複型の住宅立地モデルに関する議論が含まれる。
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