Research Abstract |
1.汚泥処理系返流水中有機物の生物分解性による分類 A処理場の濃縮槽と脱水プロセス(石灰・塩化第二鉄を用いた加圧脱水)からの返流水について有機物成分の分類を行った.有機物をリン蓄積菌により容易に用いられる有機酸(SA),有機酸以外の容易に分解される有機物(SF),遅い速度で分解する有機物(XS),難生物分解性有機物(浮遊成分XI,溶解成分SI),および水中の他栄養細菌(XH)に分類して測定した.また,同様の測定を水処理工程のエアレーションタンク流入水についても実施した. 濃縮槽返流水中有機物は全CODで335mg/Lであり,その組成はSA:0%,SF:3%,XS:32%,XI:39%,SI:13%,XH3%であった.脱水プロセスからは,全COD:1900mg/L,SA:4%,SF:1%,XS:36%,XI:39%,SI:20%,XH:0%であった.エアレーションタンク流入水では,全COD:205mg/L,SA:10%,SF:2%,XS:62%,XI:7%,SI:12%,XH7%と汚泥処理系返流水とは大きく異なった組成であった.流量を考慮し,汚泥返流水の水処理工程への寄与を求めた結果,難生物分解有機物の内,SIで約10%,XIで約40%が返流水起源であることが示された. 2.嫌気好気式多段ステップ流入式栄養塩除去プロセスのモデル化 流入下水と返流水の特性を用いて行うシミュレーションに必要な栄養塩除去プロセスのモデル化と計算手法の開発を行った.本研究では,既存の標準活性汚泥法から拡張の容易な嫌気好気式多段ステップ流入式プロセスをとりあげ,定常状態および非定常状態の計算プログラムを開発した.
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