1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松藤 敏彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00165838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東條 安匡 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70250470)
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Keywords | 都市活動 / エネルギー消費 / 都市代謝システム / 廃棄物処理 / LCA |
Research Abstract |
人間活動による環境への負荷を評価するため、LCAの研究が多くなされているが、それらのほとんどは特定の製品や施設を対象としたものである。都市においてはさまざまな活動があり、都市全体の中で個々の寄与を知ることは、都市の環境負荷低減策を考える上で重要である。本研究では、廃棄物処理、下水処理といった都市代謝施設を中心に、都市全体のエネルギー評価を行った。 まず都市の活動を(1)市民生活、それを支える(2)産業活動と(3)交通、都市の機能を維持するための(4)環境保全システムに分けた。これらの各活動を、LCAの考え方に則って建設、維持・補修、運用、解体のステージに分類し、札幌市を対象として評価を行った。評価にあたっては、各種統計資料の収集、関係部署へのヒアリング調査、文献調査(主に原単位を得るため)によってデータ収集、計算方法の整理、計算を行った。 推定の結果、都市活動全体の消費エネルギーは、市民一人当たりにするとガソリン1400リットルに相当する。上記(1)〜(4)の内訳は、交通44%、市民生活32%の占める割合が大きく、札幌市では第2次産業が少ないため、産業活動の割合は15%と低い。エネルギー消費は燃料、電力などの直接投入エネルギーと、施設、設備の建設・製造に投入される間接エネルギーがあるが、いずれも直接投入の割合が高い。環境保全システムは廃棄物処理、下水処理、浄水処理を考えたが、全体の9%と、予想以上に多くのエネルギーを消費している。廃棄物処理はその3分の2を占めており、エネルギー削減の必要性が明らかとなった。
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