1997 Fiscal Year Annual Research Report
化合物間物性相関パラメーター同定とGISに基づく農薬の流出予測
Project/Area Number |
09650601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
湯浅 晶 岐阜大学, 流域環境研究センター, 教授 (10109499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 成郎 岐阜大学, 流域環境研究センター, 助教授 (80187369)
松井 佳彦 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00173790)
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Keywords | 農薬 / 河川流出 / 化合物特性 / 使用量 / 水文データ / 気象データ / 馬渕川 / 奥入瀬川 |
Research Abstract |
農薬の河川流出濃度を規定する因子を抽出することを目的として,水道水源である馬渕川と奥入瀬川(青森県)を対象流域に選び,農薬25種類の河川水中濃度と農薬の化合物特性,農薬の使用量,水文気象データの関連性を解析した.河川水中の農薬濃度データは1993〜1995年度の5〜8月の水質調査結果を用いた.農薬特性パラメータは農薬化合物の融点,蒸気圧,水溶解度,水・オクタノール分配係数対数値(logPow)を用いた.農薬使用量パラメータは水稲用農薬使用量と果樹野菜用農薬使用量のアンケート調査結果を用いた.水文気象パラメータは河川流量,日照時間,降水量,気温,気圧の観測データを用いた. 農薬の検出濃度は0.01〜10μg/Lのオーダーであり,メフェナセット,プレチラクロール,チオベンカルブ,ブロモプチドは両河川で比較的高濃度で検出された.また,シメトリン,フェノブカルブ,イソプラチオンがよく検出された. 各農薬の流出濃度の年平均値に対する農薬特性パラメータと農薬使用量パラメータの影響について重回帰分析を行った結果,水稲用農薬使用量がもっとも大きな影響因子であり,農薬の融点,logPow,水溶解度も影響することが示された.果樹野菜用農薬使用量と農薬の蒸気圧はほとんど影響しないことが示された.各農薬の流出濃度の月平均値および週平均値に対する影響について水文気象パラメータも含めた重回帰分析を行った結果,水稲用農薬使用量もっとも大きな影響因子であり,農薬の融点とlogPowの影響がやや大きく,流量・降水量・気温も影響する傾向が示された.
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