1997 Fiscal Year Annual Research Report
下水および下水処理中の日和見感染菌の定量と再利用水の安全性評価に関する研究
Project/Area Number |
09650605
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (80194033)
|
Keywords | 下水 / 安全性評価 / 日和見感染菌 / 定量的検出 / DNAプローブ / コロニーハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
下水および下水処理水の衛生学的安全性を確保する上で水中の病原微生物の検出と定量技術を確率しておくことは重要である。すでに感染性・病原性が明確な微生物に関しては十分な検査方法が確率されており安全性の確保体制が確率されているが、平素無害菌である日和見感染菌についてはまだ十分な検査方法や安全性の評価方法が確立されておらず、下水からの除外や消毒については十分な評価体制ができていない。本研究はこのような日和見感染菌の代表的な例としてLegionella pneumophila(在郷軍人病菌、以下レジオネラ菌と称する)を取り上げ、高感度な検出を可能とするPCR法とDNAプローブによるコロニーハイブリダイゼーション法によって、この日和見感染菌の定量的検出への適用性を明らかにしようとするものである。 得られた研究成果の実績は、以下のようにまとめられる。 (1)レジオネラ菌選択培地(4種の構成物質を含む)上に滅菌メンブランフィルターを置いてその表面にレジオネラ菌等をアプライし培養することによって、レジオネラ菌を含む微生物のコロニー形成が可能であることを明らかにした。 (2)(1)で形成されたメンブラン上のコロニーをレジオネラ菌特異性のDNAプローブを用いてコロニーハイブリダイゼーションさせることによって、ハイブリダイゼーション温度が60°C以上とする場合に、他のコロニー形成微生物から識別してレジオネラ菌の特異的なコロニー検出が可能であり、したがってレジオネラ菌の生菌数を定量することが可能であることを明らかにした。 (3)上記の方法を下水とその処理水およびクーリングタワー水に適用したところ、この方法によってこれらの試料水中のレジオネラ菌の検出が可能であることが知られた。しかし多様な雑菌の混入も観察され、さらにレジオネラ菌の選択性を高める方法を開発する必要が認められた。これについては次年度の研究項目に含めたい。
|